Sound Lab Kichizyo

Ableton Liveのアレコレ

Samplerチュートリアル その2

前回の続きから

前回の記事はこちらです。

kichizyo.hatenablog.jp

 

次に、Sample Tabについての説明をします。このSample Tabのメイン機能の一つであるループに関してですが、こちらの記事に、Beatにハマったループの作り方を紹介してあるので、こちらもご覧頂ければ嬉しいです。

kichizyo.hatenablog.jp

 

それと、この続きの記事はこちらです。

kichizyo.hatenablog.jp 

 Sample Tab

先ずは適当にSampleを読み込んでみます。

f:id:Kichizyo:20190826123857j:plain

 

読み込んだ波形上で、右クリックすると、ノーマライズ等が出来るのと、クリックした状態でマウスを上下に動かすと、波形をズームインとアウト出来るのは、Simplerと一緒ですね。

 

次に注目するのは、Sample StartとSample Endの値。こちらに数値を打ち込んだり、数値を動かしたりすることで、サンプルが再生される位置と、サンプルの再生が終わる位置を決定できます。なので、左上のReverseをOnにすると、Sample EndからSample Startに向かって再生されるわけですね。

 

その下のSnapボタンでは、サンプルが再生される場所と再生が終わる場所を、ボリューム0になるように自動設定します。こうすることで、ループの際、不要なノイズを避けれるという事です。

f:id:Kichizyo:20190826124740j:plain

 

ただ、今回の例のSampleでは、ずっと音が鳴っている為、ループした時のクリックノイズは避けようがありませんでした。そもそもRとLで出てる音が違いますので、完全に0値には出来ません。

 

Rootは、画像のサンプルで説明しますと、このサンプルのキーはDです。その為、RootをDにすると、Cの鍵盤ではCの音が、Dの鍵盤ではDの音が対応して出るようになります。これがCのままだと、Cの鍵盤を叩くと、サンプルの元々の音のDの音が鳴る訳です。

 

Scaleは、基本的に100%で使います。0%にすると、どの鍵盤を叩いても、ルートの音が鳴るようになります。これは触ってみるしか無いですが、あまり使いみちが思い浮かびません。どなたか使っている方はいらっしゃるでしょうか?Midi Tabからも設定できないしなぁ、、、Max For Liveのデバイスと組み合わせたら意外と使いみちあるのかもしれません。

 

他に分かりにくいところは、右側のInterpolでしょうか。こちらはサンプルのクオリティと思って大丈夫です。Best Interpolationを選ぶとCPUを結構喰う事になります。

その下のRamボタンを押すと、サンプルがRamから再生されます。どうなるかと言うと、音質良く、反応が速くなる、と言うことですが、私程度の耳ではあまり良くわかりませんし、使ったことありません。Ramは当然限られたリソースなので、基本はオフで良いと思います。

 

あとは特に分かりにくいところは無いと思います。直感的でわかりやすい部分です。

 

ループがここでは最重要機能

ここからが本題です。Samplerのループ機能はとても強力で、Simplerでは出来ないことの一つです。

 

f:id:Kichizyo:20190826131518j:plain

この画像を見てもらえると分かりますが、一番左にある矢印が、サンプルを再生する場所、Sample Startで設定出来る場所です。

 

真ん中の→←で囲まれている部分が、Loop StartとLoop Endで設定できる、Sustain Modeでのループ位置です。Sustain Modeと書いてある下の矢印は、ループの方式です。

画像で選択されている一番右の双方向の矢印のループ形式はSimplerには無いものです。

これはとても使えます。

 

その横のLinkを押すと、Sample Startの数値が、Loop Startの数値に重なります。サンプル再生位置が、ループ開始位置になるわけです。ちなみに、Snapも適応されます。

 

さらに強力な機能が、この下のRelease Modeです。このRelease Modeの機能を実感するために、Filter/Global Tabの、Global EnvelopeのReleaseの値を上げて見て下さい。下の画像の一番右のEnvelopeのReleaseの値です。画像では最長の60です。

 

f:id:Kichizyo:20190826132452j:plain

 

 次に、Sample Tabに戻り、Release Modeを双方向の矢印に設定します。

f:id:Kichizyo:20190826131518j:plain

ちなみに、Release Loopの値はRelease Loopが始まる位置のことなので、ここでは画像の様に、Loop Endよりも大きな値にしてみます。Release Loopが終わる位置は、Sample Endの数値です。

今回は、上画像の様に、全ての矢印の位置がバラバラになるように設定してみます。数値で言うと、一番小さな値がSample Start、次にLoop Start、Loop End、Release Loop、Sample Endの順です。

 

ここで再生してみますと、

鍵盤を押している間は、Sustain Modeで設定されたループ範囲をループし、鍵盤を離すと、次のRelease Loopに向かい、Global Envelopeで設定したReleaseの長さの間、次のRelease Modeで設定されたループが再生される

のではないでしょうか。

 

これを

Beatにハマったループの作り方

kichizyo.hatenablog.jp

 

で紹介した方法を使って設定すると、かなり複雑でかっちり決まったループが出来そうです!

 

また長くなりました!ありがとうございました!