そういうタイトルの動画
Abletonの公式に紹介されていた動画に関しての記事です。動画はこれです。
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本来こちらで紹介する予定でしたが、
kichizyo.hatenablog.jp
ちょっと長くなりそうでしたし、別記事にしました。Mixで使えそうなテクニックだけでなく、エフェクト的使い方の情報もあって、とても素晴らしい動画でした。
では、色々試しながらまとめてみます!
Side Chain
これは正直よく有るやつです。リバーブをSideChainコンプでダッキングさせる、というネタですが、ここでも紹介されています。手順は動画とは少し違いますが、やってる事は同じです。
先ずはメロディーを作成。今回はMidiで任意のメロディーを作成しました。さらにトラックを複製します。えい。
名前はSideChainに変えています。これなんですが、複製されたトラックは、音が出ないようにしておきます。右側のオーディオが黄色に点灯していません。
音を出すトラックにリバーブを読み込ませますが。ここからが結構CPUフレンドリーで良いと思いました。
先ずは、リバーブをグループ化します。Ctrl+G、もしくは右クリックで選択すると良いです。
さらに、チェーンを一つ追加で作成。そうすると、チェーン2の方はリバーブがかかっていない音、チェーン1はリバーブのかかった音となります。
この時Reverbがかかっている方は、Wet値100%で、EQなんかも適当に調整します。さらに、リバーブの具合は、Rack内のdBで調整します。例えばこんな感じ。
さらに、リバーブの後ろにコンプを追加します。ちなみにコンプはガチガチにかけます。動画ではRatioはInfでほぼリミッター。Thresholdも-30位で、非常に低い値です。この辺りは音によって調整すると良いと思います。
このCompですが、リバーブ前にかけても、面白い音が出ますので、それらも試してみます。
- 最初の4小節が、リバーブ0の原音。
- 次の4小節が、リバーブあり。
- 次の4小節が、コンプリバーブ。コンプはリバーブの後。
- 次の4小節が、コンプリバーブ。コンプはリバーブの前。
- 次の4小節が、2.の反響音のみ。
- 次の4小節が、3.の反響音のみ。
- 次の4小節が、4.の反響音のみ。
となります。それぞれ間に空白があります。
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結構違いがはっきり分かります。ちなみに、このコンプリバーブですが、以前プリセットに関しての記事で、似たようなのを紹介しましたので、リンクを貼っておきます。
kichizyo.hatenablog.jp
残響カット
勝手に私が命名しましたが、そのまんまの意味です。これは結構使えます。CPUにも優しい。素晴らしい手法です。
これも頻繁に起こることですが、
あるコードトラックで、リバーブテールを出来るだけ長くしたいけど、曲のテンポが早くて、残響音が次のコードにぶつかって不協和音を作る
という事があります。それを無くすテクニックです。
方法は単純で、リバーブのオンオフスイッチにオートメーションを設定して、次の音が鳴る際に一度リバーブを切ってしまいます。これで残響音もリセットする訳です。
この際注意しないといけないことは、これだけだと、クリップ音が入って、全然使えないという事です。その為、Device Utilityを後ろに設置して、Gainにオートメーションを入れ、クリップ音を消します。
オートメーションはこんな感じになります。
右下を見てもらえれば分かりますが、グリッドが1/2048でのオートメーション設定です。相当細かい設定ですね。結構面倒くさかったです。
トラックは、
- 最初の4小節がリバーブ無し
- 次の4小節がリバーブあり
- 次の4小節が残響カットリバーブ
- 次の4小節は、2.のリバーブ反響音
- 次の4小節は、3.リバーブ反響音
です。こちらも間に空白を入れています。
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如何でしょうか(微妙に分かりにくい)。しかし、残響音が切れているのは確かに分かります。残響音で音が濁るのが気になる場合、Decay Timeを長く取りたいけど、コードチェンジが早い場合等、かなり使えるテクニックです。
リバースリバーブに関しては、前回書いたプリセットの記事でも、Resampled Reverbというタイトルで述べていますが、今回はその応用です。
Resampled Reverbについてはこちらです。
kichizyo.hatenablog.jp
今回は、トラックに動きをつけ、より全体に馴染ませるように使います。
といってもやり方は簡単で、前の記事に近いものがあります。先ずは新規オーディオトラックに、リバースリバーブを使いたいトラックを録音します。
録音したサンプルで、エフェクトを入れたい場所だけ残るようにカットして、それぞれを逆再生。更にオートメーションでボリューム調整します。この際、オートメーションはカーブを使ったほうが良いと思います。言葉だけでは分かりにくいですが、下画像のようにすれば良いだけです。
分かりにくですが、録音したサンプルは全部リバースボタンを押して逆再生しています。
トラックはこういった感じになります。原音の次に、そのままリバースリバーブ有りのトラックです。
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よくある感じですが、なかなか使い所が多いのではないでしょうか。
このリバースリバーブでは、さらにもう一つフレーズの始まり、特にボーカルの入りで使われるスキルを、発展形として紹介しています。
動画では結構分かりにくいのですが、とりあえずボーカルの入りでこのエフェクトを使ってみます。まず、ボーカルの入の部分で、「この辺かな?」って所を別トラックに複製します。
さらに、新しく作ったトラックにリバーブをセット。リバーブの設定は結構極端です。Decay Timeは長め。今回は2sちょっと前位で、FilterとかEarly RefrectionとかDiffuseとか全部オフにします。そしてWetは100%。こんな感じです。
さらに新しく作ったトラックを反転させてフリーズさせます。
ここからがちょっと変わった作業で、フリーズさせたトラックを右クリックすると、フラット化を選択することが出来ます。
そもそもこのフラット化ですが、Midiトラックをオーディオトラックに変換する為に使います。ちなみにフラット化でオーディオ化したしたMidiトラックは、もうMidiにもどせません。
このフラット化を、先程のオーディオトラックに行うと、フリーズしたトラックを音が入ってる部分全て、再度オーディオ化(これ日本語合ってんのか?)しますので、リバーブを入れた場合は、そのリバーブテイルまでが表示されます。
動画ではめちゃ作業早くて、ちょっとアレだったんですが、とりあえず、フラット化した音を、もう一回反転させます。テイルのほうも反転させます。最初とはえらい違った形ですが、反転の反転なので、一応は元に戻った形です。さらに、反転したリバーブテイルを、一番前に持ってきます。画像の感じです。
これで再生してみます。最初がエフェクト無し。1小節空けて、エフェクト有りです。
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これはカッコいいです!使いみち多そう!さらにボリュームをオートメーションしても良いでしょう。
さて、書いている私も正直飽きてきていますが、最後となります。動画ではチェロでやってますが、ちょっと違うのも良いかと思い、今回はギターの六弦使ってる感じの低い音のフレーズでやります。
これは簡単です。先ずは任意のフレーズの複製を2つ作りまして、一つをTranspose値+12に、もう一つをTranspose値+24に設定します。画像では+12に設定しているトラックです。
+12のトラックと+24のトラックには、それぞれDelayを時差がほぼ出ないような設定で入れ、その後にリバーブ、さらにその後にEQをセットして、ハイパスで低音を削ります。
画像では、Delayを1msのTimeで設定。EQも大きくLow endを削っています。リバーブは適当です。
こんな感じで設定しました。また今回も順番に、
- 原音
- +12値のリバーブ追加
- +12と+24のリバーブ両方追加
間も例の如く空けています。
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こんな感じになりました!前述したCompとかと重ねたら、もっといい感じになると思います。リバースリバーブと組み合わせても良さそうです!
今回は本当に長くて面倒くさかったので、微妙にバタバタと纏めてしまいました!が、なかなか使えそうなテクニックもあったかと思います!特にCPUフレンドリーで、気軽に使える点も良いと思います!
長くなりましたが、ありがとうございました!