Sound Lab Kichizyo

Ableton Liveのアレコレ

秘密のReverbテクニック

そういうタイトルの動画

Abletonの公式に紹介されていた動画に関しての記事です。動画はこれです。

www.youtube.com

 

本来こちらで紹介する予定でしたが、

kichizyo.hatenablog.jp

 

ちょっと長くなりそうでしたし、別記事にしました。Mixで使えそうなテクニックだけでなく、エフェクト的使い方の情報もあって、とても素晴らしい動画でした。

では、色々試しながらまとめてみます!

 

Side Chain

これは正直よく有るやつです。リバーブSideChainコンプでダッキングさせる、というネタですが、ここでも紹介されています。手順は動画とは少し違いますが、やってる事は同じです。

先ずはメロディーを作成。今回はMidiで任意のメロディーを作成しました。さらにトラックを複製します。えい。

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名前はSideChainに変えています。これなんですが、複製されたトラックは、音が出ないようにしておきます。右側のオーディオが黄色に点灯していません。

 

音を出すトラックにリバーブを読み込ませますが。ここからが結構CPUフレンドリーで良いと思いました。

先ずは、リバーブをグループ化します。Ctrl+G、もしくは右クリックで選択すると良いです。

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さらに、チェーンを一つ追加で作成。そうすると、チェーン2の方はリバーブがかかっていない音、チェーン1はリバーブのかかった音となります。

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この時Reverbがかかっている方は、Wet値100%で、EQなんかも適当に調整します。さらに、リバーブの具合は、Rack内のdBで調整します。例えばこんな感じ。

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さらに、リバーブの後ろにコンプを追加します。ちなみにコンプはガチガチにかけます。動画ではRatioはInfでほぼリミッター。Thresholdも-30位で、非常に低い値です。この辺りは音によって調整すると良いと思います。

 

このCompですが、リバーブ前にかけても、面白い音が出ますので、それらも試してみます。

 

  1. 最初の4小節が、リバーブ0の原音。
  2. 次の4小節が、リバーブあり。
  3. 次の4小節が、コンプリバーブ。コンプはリバーブの後。
  4. 次の4小節が、コンプリバーブ。コンプはリバーブの前。
  5. 次の4小節が、2.の反響音のみ。
  6. 次の4小節が、3.の反響音のみ。
  7. 次の4小節が、4.の反響音のみ。

となります。それぞれ間に空白があります。

soundcloud.com

 

結構違いがはっきり分かります。ちなみに、このコンプリバーブですが、以前プリセットに関しての記事で、似たようなのを紹介しましたので、リンクを貼っておきます。

kichizyo.hatenablog.jp

 

残響カット

勝手に私が命名しましたが、そのまんまの意味です。これは結構使えます。CPUにも優しい。素晴らしい手法です。

これも頻繁に起こることですが、

あるコードトラックで、リバーブテールを出来るだけ長くしたいけど、曲のテンポが早くて、残響音が次のコードにぶつかって不協和音を作る

という事があります。それを無くすテクニックです。

 

 

方法は単純で、リバーブのオンオフスイッチにオートメーションを設定して、次の音が鳴る際に一度リバーブを切ってしまいます。これで残響音もリセットする訳です。 

この際注意しないといけないことは、これだけだと、クリップ音が入って、全然使えないという事です。その為、Device Utilityを後ろに設置して、Gainにオートメーションを入れ、クリップ音を消します。

 

オートメーションはこんな感じになります。

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右下を見てもらえれば分かりますが、グリッドが1/2048でのオートメーション設定です。相当細かい設定ですね。結構面倒くさかったです。

 

トラックは、

  1. 最初の4小節がリバーブ無し
  2. 次の4小節がリバーブあり
  3. 次の4小節が残響カットリバーブ
  4. 次の4小節は、2.のリバーブ反響音
  5. 次の4小節は、3.リバーブ反響音

です。こちらも間に空白を入れています。

soundcloud.com

 

 

如何でしょうか(微妙に分かりにくい)。しかし、残響音が切れているのは確かに分かります。残響音で音が濁るのが気になる場合、Decay Timeを長く取りたいけど、コードチェンジが早い場合等、かなり使えるテクニックです。

 

リバースリバーブ

リバースリバーブに関しては、前回書いたプリセットの記事でも、Resampled Reverbというタイトルで述べていますが、今回はその応用です。

Resampled Reverbについてはこちらです。

kichizyo.hatenablog.jp

 

今回は、トラックに動きをつけ、より全体に馴染ませるように使います。

 

といってもやり方は簡単で、前の記事に近いものがあります。先ずは新規オーディオトラックに、リバースリバーブを使いたいトラックを録音します。

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録音したサンプルで、エフェクトを入れたい場所だけ残るようにカットして、それぞれを逆再生。更にオートメーションでボリューム調整します。この際、オートメーションはカーブを使ったほうが良いと思います。言葉だけでは分かりにくいですが、下画像のようにすれば良いだけです。

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分かりにくですが、録音したサンプルは全部リバースボタンを押して逆再生しています。

トラックはこういった感じになります。原音の次に、そのままリバースリバーブ有りのトラックです。

soundcloud.com

 

よくある感じですが、なかなか使い所が多いのではないでしょうか。

 

このリバースリバーブでは、さらにもう一つフレーズの始まり、特にボーカルの入りで使われるスキルを、発展形として紹介しています。

動画では結構分かりにくいのですが、とりあえずボーカルの入りでこのエフェクトを使ってみます。まず、ボーカルの入の部分で、「この辺かな?」って所を別トラックに複製します。

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さらに、新しく作ったトラックにリバーブをセット。リバーブの設定は結構極端です。Decay Timeは長め。今回は2sちょっと前位で、FilterとかEarly RefrectionとかDiffuseとか全部オフにします。そしてWetは100%。こんな感じです。

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さらに新しく作ったトラックを反転させてフリーズさせます。

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ここからがちょっと変わった作業で、フリーズさせたトラックを右クリックすると、フラット化を選択することが出来ます。

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そもそもこのフラット化ですが、Midiトラックをオーディオトラックに変換する為に使います。ちなみにフラット化でオーディオ化したしたMidiトラックは、もうMidiにもどせません。

このフラット化を、先程のオーディオトラックに行うと、フリーズしたトラックを音が入ってる部分全て、再度オーディオ化(これ日本語合ってんのか?)しますので、リバーブを入れた場合は、そのリバーブテイルまでが表示されます。

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動画ではめちゃ作業早くて、ちょっとアレだったんですが、とりあえず、フラット化した音を、もう一回反転させます。テイルのほうも反転させます。最初とはえらい違った形ですが、反転の反転なので、一応は元に戻った形です。さらに、反転したリバーブテイルを、一番前に持ってきます。画像の感じです。

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これで再生してみます。最初がエフェクト無し。1小節空けて、エフェクト有りです。

soundcloud.com

 

 

これはカッコいいです!使いみち多そう!さらにボリュームをオートメーションしても良いでしょう。

 

透明感あるリバーブ

さて、書いている私も正直飽きてきていますが、最後となります。動画ではチェロでやってますが、ちょっと違うのも良いかと思い、今回はギターの六弦使ってる感じの低い音のフレーズでやります。

 

これは簡単です。先ずは任意のフレーズの複製を2つ作りまして、一つをTranspose値+12に、もう一つをTranspose値+24に設定します。画像では+12に設定しているトラックです。

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+12のトラックと+24のトラックには、それぞれDelayを時差がほぼ出ないような設定で入れ、その後にリバーブ、さらにその後にEQをセットして、ハイパスで低音を削ります。

画像では、Delayを1msのTimeで設定。EQも大きくLow endを削っています。リバーブは適当です。

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こんな感じで設定しました。また今回も順番に、

  1. 原音
  2. +12値のリバーブ追加
  3. +12と+24のリバーブ両方追加

間も例の如く空けています。

soundcloud.com

 

こんな感じになりました!前述したCompとかと重ねたら、もっといい感じになると思います。リバースリバーブと組み合わせても良さそうです!

 

今回は本当に長くて面倒くさかったので、微妙にバタバタと纏めてしまいました!が、なかなか使えそうなテクニックもあったかと思います!特にCPUフレンドリーで、気軽に使える点も良いと思います!

長くなりましたが、ありがとうございました!