Sound Lab Kichizyo

Ableton Liveのアレコレ

Reason Grainレビュー その2

続きものです

その1はこちらです。

kichizyo.hatenablog.jp

 

次の記事はこちらです。

kichizyo.hatenablog.jp

 

前回の記事では、最上部のサンプルウィンドウ部分の説明でした。今回はこの部分。

f:id:Kichizyo:20191217135436j:plain

 

Grainの中核部分でもあります、真ん中の部分を調べてみました。先に簡単な部分からやつけます。具体的にはこの左側部分から説明します。

f:id:Kichizyo:20191218101806j:plain

 

Pitch

f:id:Kichizyo:20191218101925j:plain

 

これは問題ないかと思います。黄色の丸で囲った部分です。

基本はKBDは全開で使います。そうすると、Midiキーボードに対応して音程の変化があります。KBDを0にすると、押さえたKBDが音程に反映されないので、全部同じ音程が出ます。これもたまに見る機能ですね。

 

Oscillator

f:id:Kichizyo:20191218102226j:plain

 

これも問題ないかと思います。六種類のWaveformが選べますが、これはあくまで補助的な役割。メインの音はSampleをグレイン編集した音です。というか、こういうWaveformメインで音作りしたいなら普通のシンセを使うべきですので。

ただ、ちょっとした低音や音程の補強や、シンセ感を出すためには使えます。

 

Filter&Amplifier

f:id:Kichizyo:20191218102556j:plain

これも問題ないです。グレイン編集した音と、Oscillatorで作った音のレベルを決めます。VelはVelocityがどれだけEnvelope2に影響するかKBDはキーボードトラッキングなので、例えば画像のようにLPにして周波数を設定すると、高い音を押させると、それ以上の音がカットされ、低音はカットされない、という感じです。

その後、Filterを通すか、バイパスさせるかを矢印で決め、最終的にADSR調整です。シンプルですね。

フィルタータイプは四種類。強いて言うなら、Ladderは見慣れない人もいるかもしれません。

f:id:Kichizyo:20191218102751j:plain

 

私はシンセの仕組みとか全然分かりませんが、Ladderはハシゴという意味ですね。そういった回路の形をしているんだそうです。周波数を広い範囲でカットオフするらしいです。分かりやすく言うと、Moogに積まれてるような、ちょっと歪む感じのアナログっぽいフィルター、位の理解で使ってます。

 

4つのアルゴリズム

メインはこちらです。Grainにはサンプルをグレイン編集する、4つのアルゴリズムがあります。こちらです。

f:id:Kichizyo:20191218103328j:plain

 

これを一つずつ説明します。

 

Tape

f:id:Kichizyo:20191222205839j:plain

 

これは、同じReasonのNN-XTを使っている方は簡単に分かるかと思います。オールドスクールなサンプリングマシンと同じです。低い音を出したら、サンプルはゆっくり再生されます。逆に高い音を出したら、サンプルは早送りのような音で再生されます。

このTapeモード、何か使いみち分からんなぁ、と感じるかもしれませんが、サンプルの再生モードをEnvelope 1とかで細かく設定したら、結構面白い効果があります。また時間があるときに書きたいと思います。

 

このLoop X-Fadeですが、これはサンプルの再生モードをループさせるようにすると分かるのですが、サンプルのループ再生に付き物のポップノイズを避けるためのものです。ループ再生でポップノイズが発生するときは数値を上げてみましょう。

 

Long Grain

f:id:Kichizyo:20191222210113j:plain

 

次はLong Grainです。基本的に、これらはオーディオサンプルにどの様な効果を与え再生させるかですが、これは名前の通り、Grain、つまり粒子を細かく編集するのではなく、長め、大きめに編集することで、独特の揺れをサンプルに与えます。

基本的にそこまで難しい部分は無いですし、触ったら分かります。Pan SpreadはPanの動きです。Pitch Jitterですが、Jitterは前回説明したとおり、揺らぎの様な意味です。この値を上げると、ピッチが揺れます。トレモロをピッチにかけて激しくしたらこんな感じになるでしょうか。

Grain Length、Rate、X-Fadeも、名称通りです。Grain Lengthを短くしたら、Gateのような効果がかかります。粒子をブツブツ切っている様なイメージです。

また、このRateですが、値を小さくしたり大きくしたりしながら見てみると分かるのですが、上部のサンプル画面と連動しています。例えば、サンプルの再生モードをFW Loopか何かにして、Rateを下げると、サンプルがまるで飛び飛びで再生されているような状態に鳴ります。これもこれで結構面白い効果です。

X-Fadeは、Tapeでも書いたように、この値を下げると、ポップノイズが発生します。細かい加工の仕組みは分かりませんが、とりあえず、音の質感を調整しつつ、ポップノイズが発生しないような設定をする、位の考え方で良いと思います。というか、そういう機能だと思います。

 

また、重要な事として、このモードで、この部分の上部のサンプル編集画面のキー設定や、ここにあるOctaveやFineなんかを調整すると、キーもそうなのですが、音質が大きく変わります。結構注意しておかないと、キーやピッチの調整で、思ってもみない音が出たりします。

 

Grain Oscillator

f:id:Kichizyo:20191222211627j:plain

 

3つ目はGrain Oscillatorです。これも基本的に扱ったほうが速いです。

先ずは左側。Pan Spreadはそのままなので良いでしょう。Pitch Jitterは、前回の記事でも書きましたが、Jitterは揺らぎ、みたいな意味で捉えて下さい。ピッチが揺らぎます。

次にFormantの部分ですが、Formの部分を扱うと、大きく音質が変わります。なんとなく値を下げると低音のようになって、値を上げると高音の感じになる、位でしょうか。KBDは上のPitchの部分で説明したとおりです。基本は全開で使います。

最後に上部です。この辺りです。

 

f:id:Kichizyo:20191223120543j:plain

 

Grain Lengthはそのまま、編集するGrain(粒子)の長さです。触ったほうが確実に分かりが良いです。特徴としては、値を上げていくと、Grainの長さと同時に、クロスフェードもかかります。ループモードで再生してみると分かりやすいかと思います。Grainの繋がりが滑らかになる感じです。

Grain Spaceもそのままなのですが、この値を下げるとGrain間のスペースが減っていき、最小にすると、Grain間のスペースが無くなります。これも扱ってみるしかないですね。

 

Spectral Grain

f:id:Kichizyo:20191223121424j:plain

 

最後はSpectral Grainです。なんとなく説明の難しいアルゴリズムですが、ものすごくざっくり説明すると、こやつはハーモニー内での、ピッチや音質を変える、というような理解で扱っています。

Formantの部分は良いでしょう。上に書いてあるのと同じです。

次に左側。

f:id:Kichizyo:20191223184804j:plain

 

触ると分かるのですが、この3つのツマミは、右側のスクリーンと連動しています。このスクリーンを見ることで、どんな感じでGrain(粒子)が編集されているのか、見ることが出来ます。

先ずこのSnapですが、この値を上げると、倍音が上がって、Snap感が増します。Grainがプツっと切れたような感じになります。

Filterは、オーディオのハーモニーの周波数を弱める、あるいはカットする機能です。これも右のスクリーンと連動しているのですが、これは結構変わったフィルターですね。どういうアルゴリズムか分かりませんが、なんとなく低音は残しつつ間を抜かす、Notch filterでもないのですが、独特なフィルター、かは分かりませんが、少なくとも私はあまり使ったことが無い様なフィルターです。

FET Sizeが一番馴染みが無いところとは思います。このSpectral Grainモードは、サンプルから来るハーモニー周波数を調べるというのが、まず第一の基本となるそうです。このオーディオを分析する正確さとスピードの調整が、このFet Sizeのようです。値が大きいと、サンプルを最速で分析して音を出す、という形みたいです。

勝手なイメージですが、Grain間の移動がとても早く感じる様な音になります。

 

ペン印のあるCurveをクリックしますと、上記画像の様に機能がOnとなります。これでGrain編集をどの様な形にするか設定できます。Amountはどれくらいそれを反映させるかですので、Amountを0にすると、Curveが全く効いてない状態になります。この部分は、右側のSnap、Filter、FET Sizeとはまた別の効果があり、音色を大きく変えます。

 

とりあえず長くなったのでこの位で。使わないと分からない、みたいな情報ばっかりで申し訳ないです。