Sound Lab Kichizyo

Ableton Liveのアレコレ

Multi Band Effect Rackを作ろう

結構便利なMulti Band Effect

曲を作っていたら、「この帯域だけエフェクト入れたら面白いかも」と思う時は結構あります。

Multi Band Compは結構昔から使われていますし、EQやStereo Imagerなんかも普通にMulti Band処理はあります。前回の記事を書いていた時に気付いたのですが、Audio Effect Rackを使ったら、Multi Band Effectを多少賢く出来るかな、と思い記事にしてみます。

前回の記事はこちらです。

kichizyo.hatenablog.jp

 

ここでもAudio Effect Rack

もうこの時点で察しが良い方は作り方分かったと思いますが、一応書いていきます。今回はLow、Low Mid、High Mid、Highの4Bandが編集できる様な設定にしたいと思います。

先ずはトラックにAudio Effect Rackを読み込ませます。分かりやすいように名前もつけると良いと思います。

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で、先ずは一番右の”オーディオエフェクトをここへドロップします”へEQ8をセットします。名前はLow Bandにして、チェーンの名前もLowとかに変えてしまいます。

 さらに、EQ8でLow Pass Filterを設定。Hzはとりあえず250hzくらいに設定して、FrequencyをMacro1へ。Macroの名前もLowとかに変えてしまいましょう。こんな感じになりました。

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次はLow Midですね。どんどんEQ8を足していきますが、ここで重要なことは、残りの3つのEQ8はチェーンの下の”オーディオエフェクトをここにドロップします”へセットしていきます。

そして、Low Mid用のEQ8の設定は、High Pass FilterとLow Pass Filterの2つを任意の位置にセットします。今回は250~1kHzをLow Midとしたいと思います。

High Pass FilterとLow Pass FilterのFrequencyもMacroへ割り当てて、編集できるようにします。同じように名前も変えると分かりやすいです。こんな感じになります。

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次はHigh Midです。手順はLow Midと同じですので、画像だけで端折ります。High MidのFrequencyは1k~3kHzにしておきました。

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最後のHighは3kHz以上ですが、当然High Pass Filterになります。

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完成です!簡単!この段階でAudio Effect Rackを保存しとくとよいと思います!

 

使ってみる

その前に、今回はEQ8でやりましたが、例えば他のEQ、FabFilter Pro-Q 3とかだったら、もっとガッチリ厳密に、こんな感じで絶壁をかませますが、当然重くなるし、こんな極端なことはしなくても良いやろう、と思います。

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で、これコンプとかだったら当然普通のMulti Band Compなので、それ使ったらええやん、ってなりますが、意外とディストーションとか良いです。それと、反響系の音で、低音はマスキングと濁りが気になるから、そっちは使わない、とかそういう事が出来ます。ちょっとディストーションと長めのリバーブを、ドラムループにかけたものを比較してみようと思います。

 

最初の4小節が、ディストーションと長めのリバーブを全体にかけたもの。

次の4小節がMulti Band Effectで、ディストーションはLow Mid以上、リバーブはHigh Mid以上にかけて違いを見てみます。

ちなみに、ディストーションはデフォルトのOverdriveをそのまま挿しました。Reverbも、デフォルトをそのまま挿してます。最初の4小節では、何も考えずに2つのエフェクターを、ディストーション、リバーブの順で挿し、次の4小節は、上記の周波数帯に、同じ順に同じエフェクトを挿しています。

 

soundcloud.com

 

全然違います。

後半のMulti Band Effectの音は、Kickが前に出てきますが、高音のディストーションとリバーブ感は結構そのままです。

ディストーションもリバーブも、結構影響大きいから、帯域ごとにエフェクトかけれると面白いですね。特にこういうドラムビートのサンプル音源を使った場合、この帯域はリバーブでグッと後ろに入れたいけど、キックは前に出て欲しい、みたいな時は重宝すると思われます。

前回のChannel Stripと同じで、これもかなり軽くて応用聞きます。Reduxとか、あと以外にLooperとかそういうの挿しても面白そうですね。

 

結構簡単ですが、とりあえず作ってみても良いかもしれません!ありがとうございました!