プリセットを作っておくと便利
以前の記事、
Ableton Live 10 マストテクニック50
の6番目で紹介しましたが、今回はそれをもう少し作り込んでみようという記事です。スクラッチは、DJの人は普通にやっていますが、実際やってみると、何やこれって感じで、普通に難しいです。やっぱり技術的に難しい事をしているから、人を惹き付けるというのも一理あるかと思います。
当然私はカッコいいスクラッチとか全然出来ませんが、これをDAWでやろうと思うと、幾つか方法は思い浮かびます。
普通にスクラッチのサンプルをどっかから持ってきて、ペーストするだけでも、実は普通にスクラッチっぽくなったりもします。テンポをグッと落としたり、逆に早めたり。リバースしたサンプルのテンポを変えて、それらを組み合わせたり、他には、単純にトラックのボリュームのOnとOffを切り替えるだけでも、ある意味ではスクラッチ的な動きが作れます。パッと考えただけでも色々方法はあると思います。
しかし、今回はその中でも簡単で応用が聞くDelayを使ったスクラッチの方法を、ちょっと凝った感じで作りたいと思います。引用はこちらの記事。
How to create vinyl-style scratch effects in Ableton Live | MusicRadar
Delayを準備
この手の方法には、Tape系のRepitching Delayを使うのが良いです。例えば、EventideのUltraTapとかは、こういうのに向いてないです。また、
これはReasonのDDLですが、こういうTimeをつまみで動かせないやつも向いていません。
有名プラグインだったら、WavesのH-Delayはいい感じでスクラッチ出来ますし、SoundToysのEchoBoyは多種多様なスクラッチエフェクトを試すことが出来ます。Reason RackのThe EchoもかなりLoFiな感じが出て良いです。そういう意味で、Delayスクラッチは応用が効きますね。
ただ、今回はデフォルトのDelayを使ってやってみます。先ずはオーディオエフェクトのDelayを、スクラッチかけたいトラックに読み込ませ、以下の設定を行います。
- ディレイモードはTimeに設定。値は最小に。
- ステレオリンクはOn
- Feedbackは0
- Dry/Wetは100%
- ModeはRepitch
こんな感じになります。
Filterは好みで適当にかけたら良いと思います。そこで、Timeの値をオートメーション化します。
これやってみて思ったのですが、4/4の曲で、2分音符とか長めのでやっても、意外と聞いたことあるスクラッチがノリます。細かく設定、例えば16分音符とかでオートメーションしたほうが所謂スクラッチになるかな、と思いましたが、それだけではいまいちでした。とりあえず、聞いてみて下さい。サンプルは適当なやつを使いました。
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最初の4小節がオリジナル、次の4小節にスクラッチを上の画像の感じで入れてます。うん、結構出来てます。でも、何かもう少しって感じです。スクラッチは出来てますね。オートメーションの形も色々試してみても面白いです。
Crossfadeを入れる
ちょっとこれだけではアレなので、もう少し工夫を入れます。Crossfadeアクションと言われるものです。これはAuto Panで行いますが、少しオーディオのルーティングを変えます。手順は以下です。
- 新しいオーディオトラックを作成。今回は便宜上Crossfadeという名前。
- スクラッチさせたいトラックのAudio Toを新しいトラックCrossfadeへ。
- 新しいトラックCrossfadeのMonitorをInへ。
- 新しいトラックCrossfadeへAuto Panを投入
- 設定はAmount0、Phase0、Shape100%に設定。
- RateとAmounにオートメーションを設定
こんな感じです。
オートメーションの編集は適当です。トラックのルーティングも含めて、こんな感じの設定です。
出来たのはこんな感じです。
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うーん、ちょっと手抜きだったので、長めのスクラッチの所以外は分かりにくいですね。ちょっと分かりやすくしすぎようとして、Rateの値が小さすぎました。実際1/16位で良いっぽいですね。でも、そこそこスクラッチっぽいですし、ちょっとコツが分かってきたら、上手い事チュクチュク出来ると思います。
また、Auto Panの電源をOn Offにするというのも悪くないと思います。局所的にAuto Panを動かすような感じで。
随分前の曲ですが、このスクラッチエフェクトを使っている曲があるので紹介させて下さい。一分十秒くらいから、スクラッチの感じが入りだします。
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ありがとうございました!