作曲者の方々は色々意図する所があり、リズムを作成すると思いますが、複雑なリズムの代表格はポリリズムではないでしょうか。
そもそもポリリズムって何か、という話ですが、こちらのブログの記事の説明が一番分かりやすいのではないでしょうか。
khufrudamonotes.com
上記ブログでは、音楽理論やMix、DTMに関して幅広く、分かりやすく説明されています。勉強になります!
で、私もこのブログで挙げられている定義が一番分かりやすいと思います。以下引用です。
異なる「リズムのまとまり」が重なって進行しているリズム
であること。さらに、
ただ、この説明だけだと「4分音符と8分音符の重なったリズム(比率が1:2)」などもポリリズムに含まれてしまう気がします。
一般的に僕の知る限り、このような単純な組み合わせのリズムを”ポリリズム“とは呼びません。
そこで、この記事では重ね合わせるリズムを”比率“に直した時に、
①「どちらの数も2以上」
かつ
②「同時進行するリズムのまとまり(の数)が ”互いに素”である」
ことをポリリズムの定義に含めようと思います。
全くこの通りでして、ここから導き出されるリズム一覧を纏めて下さっているのが上記のブログです。
で、ポイントの、リズムが互いに素、という点ですが、素数ですので、1は入らず、
2,3,5,7,11,13,17、19,23,29,、、
と、現実的に29とか使う事は少ないと思いますが、こんな感じです。私、数学どころか算数もちょっと不味いので、数学的なツッコミは優しくして下さい。訂正いたします。
で、微妙に違ったら申し訳ないのですが、ポリリズムのビートループを作る場合、これら素数をかけ合わせた数で、一つのループが完成する、という事になります。例えば、4/4と3/4でポリリズムを作るなら、12/4拍目で一つのポリリズムの完成するわけです。3*4=12ですね。
作ってみる
というわけで、作ってみます。
計算して頭で考えてやると、面倒くさいのがポリリズムです。例えば適当にPackを読み込みました。Drum Rackです。そこで基本的な4・3ポリリズムを作るとして、、、
こんな感じのKickに3/4のSnareを乗せるとすると、、、、画像の様にグリッドを右クリックして、三連符グリッドを選択して、
さらに固定グリッドを1/2Tに。そんで打ち込むと、
ふむ、出来ました。じゃあ7・4でポリリズム作って下さい。と言われると、、もう面倒くさいです。まぁ、その位なら良いとして、もっと複雑なポリリズムを作成するとなると、もっと何か無いのか、となります。
上記の方法では何となく面倒くさそうです。しかし、私が勝手にそう思っているだけなのですが、サンプルを使っても、Midiを使っても、以下の方法なら結構簡単にポリリズムを作成出来ると思います。やってみます。
完全に私が勝手に考えた方法なので、もっと全然効率いい方法あるし、ポリリズムは出来てても説明間違ってるかもしれないので、もっと良い方法ご存じの方、また訂正ありましたら、教えて頂ければ嬉しいです!
今回はBPM85で、ポリリズムとなるのはSnareとPercussion2の2つ、Snareは3/4でのポリリズム、Percussion2は5/4でのポリリズムを作成します。
また、上記の画像のような1小節内でのポリリズムと違って、より複雑な、複数小節のループでのポリリズム作成を行います。1小節内でのポリリズムも、同じ方法で出来ます。
先ず、ポリリズムをしたいパートを、それぞれ別のトラックに読み込ませます。SimplerでもSamplerでも良いです。
今回はMidiで作成するのでSimplerですが、サンプルファイルでも同じ方法で出来ます。後述します。
それぞれのリズムは以下です。とりあえず全部4/4で4小節作りました。最後のPercussion2だけ8小節作っていますが、これは5/4にするためです。特に今は気にしないで下さい。
Kick
Snare
Closed Hat
Percussion1
Percussion2
ちょっと分かりやすいように、フレーズを作っています。この内、Snareを3/4で、Percussion2を5/4でポリリズム作成です。その他は普通の4/4です。とりあえずSnareから作ります。以下が手順です。
先ず、SnareのTime Signatureを3/4に設定します。
次に、グリッドの数値がズレますので、4小節に合わせます。
分かりにくくてすいませんが、元々こうだったのが、
3/4にすることで、こうなります。
それを4小節に合わせるので、
こんな感じです。
Snareとその他は、4と3のポリリズムなので、12小節目で元に戻るはずです。ループさせてみます。
分かりにくいですが、揃っています!ここまでの音源を20小節で聞いていましょう。12小節目で元に戻ります。Percussion2はまだ入っていません。
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ん~、ちょっと分かりにくいですけど、まぁ、出来ています。
Percussion2も同じ手順です。
5/4ですので、Time Signatureを5/4にして、変更されたグリッドを4小節に設定します。
先程何でPercussion2だけ8小節作ったのか、という話でしたが、5/4だと4小節だけ作っても足りなくなります。本当は5小節作ったら十分なのですが、コピペしたので8小節です。
5/4ですので、4*5で、その他のフレーズとは20小節目で元に戻るはずです。同じ様にループさせてみます。
出来ています。では聞いてみましょう。分かりにくくなるので、Snareの音は抜きましょう。元に戻ってから4小節、24小節の長さです。
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う~ん、なんかもう分かんねぇなぁ。
まぁ、しかし、一応出来たって事にしときましょう。多分出来てますよこれ、きっと。
応用が効きます
前述しましたが、この方法、1小節でループをやると、簡単にポリリズム作れます。もう蛇足なのでやりませんが、ポリリズムさせたいトラックのSignatureを変えて、グリッドを1小節に設定、とただそれだけです。
4/4なら1小節内に4分音符が4つ、3/4なら3つ、となり、それをループさせるだけなので、当然ですね。12拍目で元に戻る、という形になります。上記の方法では、拍でなく小節なので、12小節で元に戻りますが、同じ考え方です。
さらに、サンプルファイルでも全く同じ方法で、ポリリズムの作成が出来ます。サンプルファイルの場合は、終わりの部分をズラして4小節にするのではなく、始まりの部分をズラして4小節にしたり、等、色々試してみるとまた面白いです。
結構複雑なポリリズムも、こんな感じで簡単に出来るのがAbleton Liveの魅力ですね。長くなりましたが、読んでもらってありがとうございました!