Return Trackの上限は12個
Ableton Liveのバージョンは、現在10.1です。そろそろ11が出てどうなるのか分かりませんが、とりあえずこのバージョンでは、Return Trackは12個までしか作れません。試してみるとこんな感じで、
右クリックをしても、新規リターントラック作成が出来なくなります。そもそもReturn Trackは12個も要らんやろ、と思われた方が多くいらっしゃると思いますし、実際普通はその通りですが、このReturn Track、結構使いみちが多いです。
例えば以前書いた、Fabfilter Pro-Q 3で、結構間違ったSidechainの使い方をしてた記事があります。
kichizyo.hatenablog.jp
この記事の前半部分みたいな使い方もあり、普通のリターントラックとは、また少し毛色を変えた使用方法もあります。
それに、リターントラックにあるエフェクトを入れて、そのリターントラックに対応した、それぞれのトラックのノブにオートメーションを入れたりすると、一つのエフェクトを沢山のトラックにオートメーションをかけたりとかも出来ます。そうするとエフェクトのオートメーションにも統一感が出ます。
そう考えると、リターンが12トラックでは足りない!という方も結構居るのではないかと思いました。私も結構ギリギリの時があったので、ちょっと何か方法無いか調べてみたところ、一つ記事を発見しました。こちらです。
www.blackghostaudio.com
この記事、結構長いうえに、関係ないこともそれなりに書いているので、リターントラックを増やす部分だけ抜き出して、方法を書いてみます。
ただ一点、この作業、純粋にリターントラックの数を増やすわけではなく、リターントラックと同じ働きの物を作る、というものです。
また、沢山のトラックに使用するエフェクトは、やはり普通のリターントラックでやったほうが、CPUの節約になります。
とりあえずやってみます。
今回では、Mixで言う所のガーリックソースの様な(iZotope Mixing Guide曰く)、ディストーションで試しに作成してみます。
ディストーションの様に、リターントラックで使う場合は、全部には使わないけど、幾つかのトラックで、何種類かを使いたい、また、たまにオートメーションも入れたい。でもそうするとリターントラックが12個じゃ足りない、みたいな時にこの手法が使えます。そんな状況あるんかい、って話ですが、知ってて損も無いですし、とりあえずやってみます。
Audio Effect Rackを使う
この時点で方法言ってるみたいなもんですが、先ずはAudio Effect Rackを入れます。この際、画像の赤丸で囲った部分をクリックして、チェーンリストを表示して下さい。
今回ディストーションは4種類入れたいと思います。Tube系と、Tape系と、Fuzzと、特殊系にします。
先ずは、最初のチェーンをあと4つ作ります。右クリックで作成できます。
最初にあるやつをオリジナルと名付けます。その後はエフェクトの名前をそれぞれチェーンに名付けます。
それぞれのチェーンに、任意のエフェクトを入れていきましょう。画像はFuzzです。iZotopeのTrashです。この際、あくまでリターントラック的な使い方なので、私はどれもWet 100%で使っています。
これで一応完成です。
調整はチェーンのボリュームで
このAudio Effect Rackを使ったReturnでは、最初のオリジナルの部分が原音ですね。エフェクトは何も入ってないです。
これがオリジナルの音で、追加した各チェーンは並列処理で、リターンとして使用できます。リターンをあげたい時は、チェーンのボリュームを上げていくと、リターンエフェクトがかかっていきます。
同じリターンが必要な場合は、これをコピーして、必要なトラックに貼り付けたら、一応リターントラックの数は、いくらでも増やせる、という事になります。でも、この手法、元の記事にも書いていましたが、やりたい放題プラグインとか使いまくって、コピーして貼り付けまくったら、結構CPU喰います。そこだけ注意して、沢山使いたい時は、デフォルトのエフェクトデバイス使ったら問題ないと思われます。
こういう発想次第で、色々応用効くのが、Abletonの面白い所ではないかと思います。以上、ありがとうございました!