Sound Lab Kichizyo

Ableton Liveのアレコレ

Waves eMo D5が思ったより便利な話

Compがよく分からないという人に便利

そもそも、なんで2018年に発売されたeMo D5を今頃になってレビューしているのかというと、最近ある人にCompの説明をしていた事が発端です。

その人は、完全に演奏家というか、プロの演奏家なのですが、最近DAWを始めた、という感じです。ただ、いまいちCompがどんな風に動いているか想像つかない、という話をしていた時に、このeMo D5で説明したら、結構すんなり分かってもらえた、という事が有りました。

 

正直、プラグインレビューは、結構やってるくせに、今になるとどうなのかなぁ、とかも思ったりしています。いや、詳しい人とか、プロの人がやるなら分かるのですが、私みたいな素人がやってもね、という感じなので、あくまで機能の特徴とか、音の実験的なのとか、初歩的な使い方とかを書いてるつもりです。

実際プラグイン無くても、Abletonのデフォルトもマニュアル読んでちゃんと使ったら凄い高性能だし、デジタルの限界を感じるなら、もうアウトボード買っちゃおうぜ!とかも思うのです。アウトボードは、そんなに詳しくないし、少し何種類か使っただけですが、今の御時世値段も落ちて凄い良いな、って思うのも私は沢山有ると思いました。音痩せないねぇ!とかハード使った時は思います。変にプラグイン買うより、実機録音するならアウトボード買ったほうが、要らない時は売れるし、最終的にそっちが良い場合もある気がする、とは思いますが、環境は人それぞれ。どうしても実機買うのに抵抗が有る方もいらっしゃいますし、今回は単純にアナログには無いUIの分かりやすさとか、そういう所を見ていきたいな、と思ってのレビューです。

 

で、このeMo D5ですが、多分Wavesのバンドル持ってる方全員の感想だと思われますが、

これC1と変わらんです。

変わらんと言ったら語弊がありますし、他の機能も付いていますので、同じものとは言えませんが、コンセプトは完全に一緒です。所謂、ダイナミクス関係の調整は全部これで出来るで。というプラグインです。見た目と使いやすさが進化しています。

見た目はこんな感じです。

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上がC1 Compで、下がeMo D5ですね。ちなみにC1 Gateはこんな感じ。

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両方を足したようなプラグインです。ただ、C1以上に、このeMo D5は分かりやすいのです。

 

Compの動き

挙動はC1と同じですので、C1でも同じこと出来るんですが、比較しても見やすくはなっていると思います。例えば、Thresholdをガッツリ下げて、Ratioも高めで見てみます。

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Thresholdはこの赤丸の位置が、ノブと連動して動きます。

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さらに青丸で囲った所はGRメーターですので、ココでAttackとReleaseがどれ位の感じで音を圧縮しているか見れるわけです。これが結構見やすい。感度も良いので、普通の針式のGRメーターよりも、見やすい点も有ります。AbletonのデフォルトCompもこんな感じですね。そういう意味でも使いやすいです。

さらにKneeを触ると、

これがHard Kneeで、

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これがSoft Knee

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微妙な違いですが見えますでしょうか。コレを見て、「Kneeってこんな意味やったとね!」と私の知り合いは言っていました。

 

Gateの動き

Gateも分かりやすいです。この赤丸二つが連動して動いて、

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極端な事するとこんな感じで

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ココから下にGateかかりますよ、というのがハッキリ分かります。GRメーターもCompと同じ動きですので、どれくらいGateで音を排除されているか簡単に分かります。これを見た時、「Gateってこげんして動きようったいね!」と私の知り合いは言っていました。

 

Limitterの動き

これも簡単です。

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写真の青丸で囲った所が連動していて、ノブを回すと、赤い線が下がってきます。ココでリミッターかかってますよ。というのが分かります。GRメーターも、Compの部分がLiitterに変わっています。色が一個一個変わっているのも分かりやすいですね。「そしたら、リミッターってめっちゃ厳しいコンプって事やないと?」という質問がありました。めっちゃ厳しいコンプって表現も、ある意味分かりやすいですが、そういうダイナミクス関係の動きを、関連付けて一気に理解してもらえた様に思います。ちなみに知り合いは博多の女性です。

 

Deseerの動き

もうコレも見たら分かります。

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単純に青丸で囲った所が連動していて、Freqで設定した所がどれくらい潰れているかも簡単に見れるわけです。ちょっと高音の嫌な音とか抑える時に便利です。

 

ちなみに、このeMo D5ですが、実にクリアなコンプのかかり方をします。同じWavesのR Compもそうですが、こういうとても素直な、所謂「コンプかけるだけ」的な音は、アナログには無い、それはそれで一つの良さと勝手に思っています。コンピューター関係の仕事をしている友人が、真空管とかアナログ的な回路を、人間の耳で殆ど気づかないレベルで再現するのは、量子コンピュータが出来ないと無理と思う、という事を言っていましたが、こういう素直な音は、現状可能です。コレも一つの強みと思って、活用する様にしています。

 

簡単ですが、eMo D5がコンプがよく分からない方々には便利、という話でした。実際、手早くダイナミクス処理する時、一個で大体解決するので、中々便利ではあります。「そんなもんデフォルトのエフェクトで全部できるわ」という方もいらっしゃると思いますし、その通りですが、時間短縮とか、あんまりエフェクト重ねたくない時なんかは、重宝するかもしれません。まぁ、でも普通は必要ないかな。ココまで書いといてあれですけど。

 

以上、ありがとうございました!