Resonatorsを上手に使おう
どのDAWでもそうですが、デフォルトのエフェクトを効果的に使うことは、とても重要です。Abletonは、SuiteでM4Lを使える人は特にそうですが、エフェクトがとても多いです。M4Lまで色々扱いだしたら大変なので、とりあえずデフォルトのエフェクトの中でも、何となく使われてなさそうな(私が勝手にそう思っているだけですが、そういう話を以前何かのフォーラムで見た気がします)、Resonatorsを今回ちゃんと見てみようと思います。
Resonatorsは、多分ResonantとかResonanceみたいな言葉から来てるのかな。共振する、とか奥深く鳴り響くとか、何かそういう意味です。英語圏でクラブとかライブに行くと、「ここのHallはResonanceが良いね」みたいな事を言ってる人がいたりします。こうして文字に書くとルーっぽいですが、そういう共鳴的な、なんかそういうのです。エレクトロな音楽は、どうしてもそのResonanceとか、それとTimbreは音色と言えば良いのでしょうか、そういうのの重要性が高くて、洋書ではそういう言葉がよく出てきます。
Resonatorsも、何かそういう感じと思って扱ってみると、イメージとか使い方が膨らむのではないでしょうか。では、実際に使ってみます。
Mode
使ってみますが、このデバイスで分かりにくい所は、多分このModeの部分だけですね。
信号は先ず、一番左手のFilterを通ります。これは問題ないですね。Filter Typeを選択して、Frequencyを調整します。
Decay
次にDecayを調整しますが、一応の注意点があります。そもそもDecayは、ある音が出てからその音が消えるまでの時間の調整です。ですが、このDecay Timeは一般的に音によってその持続時間が違います。
Decayは低音の方が高音よりも長く持続します。
この部分は、この次に説明するNoteのセクションにも関連します。
Constボタンは、音程にかかわらず、Decay Timeを一定にキープする仕様です。ちょっと、とりあえず低音と高音の音の違いについて、ちょっと分かりくいので聞いてみます。同じギターの音でどのくらい違うかです。ConstボタンはOffです。最初の音は、Noteを真ん中のCに、
次の音を低いCにしています。
これで聞いてみます。
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こんな感じです。こういう違いを出したくないなら、ConstボタンをOnって感じでしょうか。全く同じ設定でConstボタンをOnにしてみます。
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どうでしょう、これ分かりますかね。微妙ですが、確かに違いがあります。という事でした。
Colorは単純にサウンドの明るさですね。
Mode Ⅰ
ここで設定するのはNoteの情報です。単純にスケールに合わせてみると良いと思います。ただ使ってて思ったんですが、これ例えばNoteをCにして音を鳴らすときに、C以外の音が鳴っているぶんには問題有りませんが、NoteをCに設定した時にCの音が鳴ると、共鳴して音が極端に大きくなります。ちょっと一回聞いてみます。
NoteをCに設定して、まったく同じボリュームで、ギターを最初の音はA、次にCを鳴らします。こんな感じです。
Resonatorsの設定はこんな感じ。
そうしますと、こんな感じになります。
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原音が同じボリュームとは思えない位の音量差が出ます。音が割れまくったのでリミッターを入れていまが、これは結構注意が必要な気もします。この問題の為、基本的にResonatorsは、ドラムとか、ハーモニーを作らない音源に使うべきと考えます。
例えばこちらは、ResonatorsのプリセットBerlinを、NoteをAに設定して、A minorスケールのピアノにResonatorsをかけてみました。
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これは結構厳しいですね。音量差が相当出ていますし、音も割れています。リミッターも入れています。
で、本来のNoteの役目に戻りますが、ちょっとこれも音源を用意しました。
- 最初の4小節はA minorスケールのピアノとドラム。これがマイナーのキーオリジナルです。
- 次の4~8小節でドラムに、ResonanceのプリセットBerlinを、NoteをAに設定して聞いてみます。
- 次の8~12小節はC majorスケールのピアノとドラム。これがメジャーキーのオリジナルです。
- 更に次の12~16小節で同じように、ドラムにResonanceのプリセットBerlinを、NoteをCに設定して聞いてみます。ちなみにこのBerlinには、Minor 3rdの音が入っているため、そこはMajor 3rdに修正しました。
- そしてその後最後に、C majorスケールのピアノに、ドラムにResonanceのプリセットBerlinを、全くズレているNoteをG#に設定した音です。
一応画像載せておきますと、こんな感じのResonatorsの並びです。赤丸内はMinor 3rdをMajor 3rdに修正した所です。
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こんな感じで音に一体感が出ます。スケールがズレたNote設定だと、当然音にズレを感じますね。
Centでの細かいピッチの調整も可能です。一応画像載せますと、赤丸内でNoteとCentの設定です。
Mode Ⅱ~Ⅴ
ここはまとめさせてもらいます。基本的には同じものです。このⅡ~Ⅴの部分がMode Ⅰで設定したNoteの音をルートにして音程を調整できます。
注意点としては、Mode Ⅰの音は左右両方から出るのですが、Mode ⅡとⅣが左から、ⅢとⅤは右から音が出るという所でしょうか。この辺ちょっと考えてやると、例えば音のオンオフとかを左右均等にしたりとかも出来ますね。
Mode Ⅰと同じように、ピッチとCentでの音程調整もあります。Mode Ⅰの画像を見たら分かると思うので載せませんが、細かい音程も調整できるというところです。
御存知の通り、Ableton liveは、こういった謎の音を作り出すエフェクトが沢山あります。M4Lも考えると「こんなん何に使うんや、、、」というエフェクトが沢山有りますが、Resonatorsはこうして作りをしっかり見ると、意外と使いやすい部類ですし、ちょっと音に変化を入れたい時なんかに重宝するかもしれません。
以上、ありがとうございました!