Sound Lab Kichizyo

Ableton Liveのアレコレ

作曲に必要なテンションの作成とオートメーション その1

何となく曲がイケてない時

ある程度曲が完成したけど、何となく細部が詰めれてないというか、もう少しこう、動きが無いんですか?みたいになる時がよくあります。そういう時にどうしたら良いのか、というのを一度調べてみたのですが、テンションの作成とオートメーションはその解決に大いに役立つと思い、その具体的な使い方を、備忘録も兼ねて書いてみようと思いました。

 

ちょっと話が脱線しますが、何度か書いている、Ableoton出版の

Making Music: 74 Creative Strategies for Electronic Music Producers

にも、このテンションに関しての言及があります。Dramatic Arcに関する説明で、このDramatic Arcという考え方は、映画やドラマ等の制作にも使われる考え方だそうです。

 

f:id:Kichizyo:20191008220430j:plain

 

このExpositionの部分では、曲の要素を紹介していく段階です。メロディーとか、コードとか、リズムとか。映画でいうと、時代や情勢、登場人物の紹介のようなものだそうです。

次のRising Actionで出てくるのがテンションです。一番の聞かせどころのClimaxに向けて、Expositionで出てきた部分を発展させ、楽曲の密度を高め、特に聞かせたい部分へのテンションを緊張させていきます。

Faling Actionは、そのテンションの緩和で、図のように、Rising Actionの反対の動きをする事が多くあります。DenouementもExpositionの反対の動き、音を抜いて行ったりとか、そういう動きが入ります。めちゃくちゃ端折りましたが、本ではこんな感じの説明でした。

 

ハーモニー単位でも、9thや13th等に代表される、コードのテンションが存在しますし、構成でも、テンションの緊張と緩和というのは、2-5-1なんかで代表される動きがあります。ジャズミュージシャンなんかは、このテンションの緊張と緩和を絶妙に、意味分からないレベルで使いこなしている訳ですね。しかし、今回はエレクトロニック・ミュージックの話なので、その辺りには触りません。というか、ジャズが弾ける訳ではないので、そんな話出来ません。

このDramatic Arc。これはエレクトロニック・ミュージックの楽曲を、かなりマクロな視点で見た、構成上のテンションの流れと言えると思います。今回はそうではなく、エレクトロニックの楽曲に関する、もっとミクロな部分のテンション作成というものを考えていきたいと思います。ここで重要になるのが、オートメーションです。

 

次の段階への移行時

このミクロなテンションの緊張と緩和がどういう時に使われるかと言うと、楽曲が次のフェーズに移るときです。テンションを作ると、「次に何か起きるぞ」と予測が立ち、リスナーに緊張からの開放を与えると共に、楽曲のフローにもメリハリを作ります。Dramatic Arcの図で行くと、Climaxが、次のフェーズに移った瞬間になるのでしょうか。もちろん、例えば緊張と緩和を使いこなすジャズプレイヤーたちも、次のフェーズに移る時にも様々な手法を使って、テンションを作り、開放させていますが、エレクトロニック・ミュージックの場合、その手法も別のものが存在します。

 

この動画に詳しく書いています。

www.youtube.com

 

実はこのミクロなテンション作成は、皆無意識でやっています。この動画で紹介されていたのは、

  • ライザー、スネアのロール、その他FX
  • 何か楽曲の要素を抜く
  • オートメーション
  • 無音
  • 不協和音や短いFX音の挿入

個人的にちょっと分かりにくい、というか、マクロとミクロの設定がこの記事と違うので、勝手に少し変えました。この記事では、動画でマクロって言ってる所も、ミクロって言ってる所も両方ミクロです。この記事では楽曲の構成を一番大きな枠組みとして考えています。

さらに追加要素で

  • 同じノートやフレーズのリピート

なんかもあって良いと思います。こうして見てみると、ライザーやFX、オートメーション、フレーズの機械的なリピート以外は、アコースティックなジャンルでも行われている事のように思えます。

 

しかしながら、とりあえず、

曲が次の段階に移る時、上記箇条書きの事をしたら、テンションが生まれ、次の段階に移行しやすく、曲にも細かい表情が出る

と言って問題なかろうと思います。ちなみにこれらは重ねて使っても効果的でしょう、楽曲の要素を抜きつつ、短いFX音の挿入、とか。こういう細かい緊張と緩和が、曲をより充実させるのに必要だと思いました。

 

しかし、この中でも一番自由度が高く、難しいのはオートメーションだろうと思います。前置きが長くなりましたが、このオートメーションに関してもう少し掘り下げるのが今回の目的です。

 

何をどうオートメーションするのか

 では本題に入ります。今回は以下3つの記事を纏めました。

 

8 automation tricks every producer must know | MusicRadar

A Guide to Automation and Movement in Music | Hyperbits

https://www.izotope.com/en/learn/7-creative-automation-tips-for-music-producers.html

 

どの記事に関してもオートメーションの重要性や、所謂細かいオートメーションの調整が楽曲を生き生きとしたものにし、プロはこの辺りの調整がとても上手いのだ、という事です。で、具体的にどういった事をオートメーションで扱うのか。その基本からとりあげます。

 

基本(エフェクト)

1.ボリューム 

適切なボリューム調整は、EQよりも重要と言われます。ボリュームは常に一定なわけではありません。サビになったら下げたり、逆に上げたり、その状況に合わせたボリューム調整を、オートメーションで細かく調整するのが良いです。

 

2.EQ

ローパスやハイパスにオートメーションをかけて、トラックを消す方法は、一般的ですが、細かい所では、新しいトラックが入る時に、そのトラックのスペースをEQのオートメーションを使って作ることも大事です。他のトラックとマスキングするところを削って、よりMix的な使い方も出来ます。

 

3.Saturation

デジタルに温かみを加えるSaturationも、オートメーションで調整すると効果的な場合があります。DriveやWetを調整して、例えばあるフレーズに向けて、徐々に音に温かみのある歪を加える、という手法も有ります。

 

4.Delay

珍しくはありますが、上記の記事ではDelayについても述べています。Delay Timeや、FeedBack、Mix Levelなんかを調整し、実験的な変化に挑戦する際に使えるとの事。Tape系やVintage系が良さそうです。

 

5.Reverb

これもあまりオートメーションのイメージと合いませんが、Decay TimeやPredelayを調整する事で、空間の大きさを変えるという使い方を述べています。何れにせよ、少しだけ変化を加え、Mixのスパイス的な使い方が良いようです。

 

6.Stereo Width & Panning

これはMix的なオートメーション使用法です。記事には書いていませんが、よく有る使い方として、サビに行くまでにはPanをあまり広げないように抑えておいて、サビに入る時に一気にステレオに広がりを出す、という方法は一般的です。

 

次は楽器です。

 

基本(楽器)

 

1.Velocity

これはMidiデータに限りますが、結構一般的ですね。Velocityで山や谷を細かく作って、フレーズにノリを出したり、グルーブ作成ツールで変化を与えたり、AbletonにはVelocityをランダム化させるツールも有ります。

 

2.シンセの基本パラメター

 よく使われるのはLFOでしょうか。他には、ピッチをコントロールしてライザーを入れたり、フィルターも有ります。リバーブやディレイが付いているシンセもありますので、無闇矢鱈にプラグインを挿すのではなく、シンセ内で完結できるならその方が良いでしょう。どのパラメターも、オートメーションの対象として、柔軟に考えることが重要です。

 

3.ADSR

これはあまり考えた事なかったのですが、記事で書いてある使い方は、Rの値やDの値の変化はかなりサウンドに影響するので、結構面白いと思います。

 

4.Layer

同じ種類の音を二つ以上組み合わせて、欲しい音を作る事をLayeringと呼びますが、このLayerを操作するという事です。しかし、Layerはマスキングが増えますし、例えば複数のOscillatorが付いているシンセは、最初からLayeringしていると言えます。重ねた音に、フィルターを入れたり、ADSRを変えたりと、様々な方法がありますが、どの音が優先されるべき音か、どの音にオートメーションするべきか、これも結構難しい所です。

 

 

より細かいオートメーションの編集へ

ここまでが、所謂、オートメーションで扱う基本パラメターとなります。確かに、多くの楽曲で使われるオートメーションはこれらの値だと思われます。

 

今回ではオートメーションに使われるエフェクトと、楽器のツマミの基本的な部分、という事で説明しましたが、次はより細かい、「この音こんな事してたんか!」というようなオートメーションの使い方を書いていきたいと思います。

 

が、長いので次の記事にします。ありがとうございました!

 

McDSP 6060 EQレビュー

ProToolsの緑のやつ

何となくProTools専用の緑のアレというイメージがあるプラグイン、McDSPですが、随分前からVST対応の、チャンネルストリップのプラグインを制作しています。

今回は現時点(令和元年10月)で最新になる6060のEQを調べてみたいと思います。Compはちょっと比較が難しいので、EQだけやります。

 

ところでですが、このMcDSP 6060、チャンネルストリップのプラグインの中では結構有名です。このサイトとか。

iconcollective.com

 

.

Slateは素晴らしい出来らしいです。サブスプリクションは私は正直嫌いですが、ちゃんと購入もできますし、レビューがなんだかんだ良いのはSlateです。確かにちょっと欲しい。ちょっとじゃなくて欲しい。

 

Universal Audioが一番、という方が多くいますが私も確かにその通りと思います。高額に見合う効果なのも承知しております。何回か使わせてもらいましたが、確かに素晴らしい。群を抜いています。もう正直欲しい。でもちょっと高い。PCIe空いてるし入れちゃおっかな!とかいつも思っていますが、ちょっと勇気が必要なプラグインです。最高なのは本当にそう思います。

 

iZotope Neutronはとにかく便利です。Wavesは、WavesですがOmniはやはり評価が高いです。使ってみたい。Softubeもファンが多いようです。BRAINWORKSも然り。圧倒的SSL感です。これも良さそうです。しかし、多機能なチャンネルストリップが欲しいと思って、目をつけたのがMcDSP 6060でした。

 

Media Integrationで扱っていて、公式はこちらから見れます。

6060 Ultimate Module Collection | Media Integration, Inc.

 

なんか色々機能が付いてる

McDSP 6060ですが、確かにチャンネルストリップなんですが、上記のサイトの10 Best Channel Stripの中でも、特別機能が多いのが特徴です。どの位多いかと言うと、EQ、Comp、Distortion、Saturation、Filter等を合わせて、30以上あります。今数えたら34でした。

 

内訳は、EQ12、Comp10、その他12です。

これがMcDSPの魅力と思われます、チャンネルストリップと言うと、何となくEQとCompがメインで、SaturationとかDistortionの効果があるもの、みたいなイメージで私も使っていましが、このMcDSPは本当にそのエフェクトが細かく多岐に渡ります。

 

特に個人的にBOBはかなり使っています。WavesのMaxx Bassと二つ持っていたら、低音がかなり扱いやすくなります。最近ではMaxx BassよりもBOBを使うことが多いです。何となくSaturationがかかっているというか、独特な風味が有るように思えます。バイアスが二つ有るのも良いです。

以下はBOBに関する公式の文章です。

BOB(bass optimized bias)
低域の響きをさらに暴れさせることに最適化してデザインされたのが、Bass Optimized Biasモジュール、BOBです。
指定したローエンドの帯域を24 dB以上もブーストし、かつ指定した帯域以下の信号は減衰されるため、
狙ったローエンドを的確に強調することができます。
Squashコントロールにより、ブーストするローエンド周波数付近の帯域に、
指定したリカバリー・レートでコンプレッションをかけることも可能です。
さらに2つのバイアス・モードで、より柔軟なトーンを加えられます。

 

 と、BOBの話は簡単にして、今回のテーマのEQをやってみます。でも、BOBは良いですよ。

 

EQの個性を調べてみよう1

とりあえず、変化が分かりやすく、どの周波数も満遍なく網羅している楽器ということで、ドラムループのサンプルに、EQ12個を、一つ一つ、全種類かけて調べてみます。ちなみに、ここで言うEQは、ラックを読み込んだ時に、EQのカテゴリの中に分類されているものとします。

 

と言っても、一気に12個分聞いたら訳が分からなくなるので、半分の6個で区切ります。

 

先ずは、最初の6つの公式の文章を引用します。

 

E671

Fairchildは素晴らしいコンプレッサー/リミッターだけでなく、優れたプログラム・イコライザーも開発していました。
E670の設計の基礎にあるのは、まさにそのFairchild 664 2バンドEQです。
中域のパラメトリックEQ、穏やかな低域とハイシェルビングEQが、E670に滑らかなサウンドを与えます。
独立したゲイン、周波数コントロールを持つ3バンド構成は、現代のスタジオに必要な、十分以上の柔軟性を提供します。
あらゆるミックスの局面で細やかな調整を加えることができるでしょう。

 

MooQ

真空管による回路設計の特徴といえば、その雄大なヘッドルームと温かみですね。
Moo Qはその質感を3バンドのパッケージに収めています。

 

iQ

6060コレクション中、唯一の2バンドEQがiQです。
あらゆる音楽ジャンルのミックスにおける微調整に最適なモジュールでしょう。
ローエンドの「暖かさ」やハイエンドの「艶」が必要なトラックに、iQモジュール が役立つはずです。

 

E300とE301

このEQが光学式を採用しているわけではありませんが、
McDSPではOpto-C/Lコンプレッサー・モジュールと対になるEQを6060 Ultimate Module Collectionに追加したいと考えていました。
Opto-C/Lは優れた汎用コンプレッサーで、Opto-Lモジュールはビンテージ リミッターのように動作します。
E300/301はいずれも非常に実用的な3バンドEQモジュールです。
共通の帯域とゲイン・レンジ設定を備えながらも、E301は帯域幅が狭く、特に高ゲイン設定時はより顕著になります。

 

 

British-E

1998年にMcDSPから最初にリリースされたプラグインFilterBankは、Neveシリーズのイコライザー
特に1069、1073、および1081の基本的な特性を、独自のPeak、Slope、およびDipコントロールとともに再現しました。
British Eは、FilterBankで培われたテクノロジーを用いてNeveイコライザーを統合したモジュールです。
古典的なハイパス・フィルタ、ロー・シェルフ、パラメトリック、ハイ・シェルフの組み合わせにより、
およそあらゆるミキシングの局面で活躍するEQモジュールとなるでしょう。

 

とりあえず、ここまでテストしてみます。これらです。

f:id:Kichizyo:20191007080710j:plain

 

ブーストのほうが個性が分かりやすいかな、と思ったので、

 

Low Freqは約150hzを4db上げる

Mid Freqは約1khzを4db上げる

High Freqは約7khzを5db上げる

 

という設定で統一しました。周波数が約なのは、細かい設定は出来ないからです。大体高音域でも誤差数十hz、低音域は誤差数hzなので、特に大きな違いは無いと思います。

ちなみに、この中ではiQは2バンドEQの為、中域の1khzは触らずに、低域と高域だけ上記の設定にしています。また、British Eにはフィルターも付いていますが、使用していません。

また、ブーストのためクリップする事もありましたので、それぞれのトラックのフェーダーは-3.7db固定。マスターのフェーダーは0です。

最初の4小節は未加工のオリジナルビートで、その後、

E671→MooQ→iQ→E300→E301→British-Eの順で音を入れています。

ちなみに、それぞれの間には無音を一小節入れています。

 

この6つはこんな感じでした。

 

soundcloud.com

 

ぜんぜん違うやんけ!

 

EQもそれぞれ違うのはもちろん分かっていましたが、ここまで違うとは予想していませんでした。特に最初のE671は音量がっつり上がってます。British Eの低音感も色が付いてますし、MooQも結構高音に温かみが出ていると思います。ただ、E300とE301はやはり似ています。

 

さらにEQの個性を調べてみよう2

さらに残りの6つを聞いてみましょう。公式の文章を見てみます。

 

EZQ

名作コンプレッサーを送り出してきたdbxは、しかし自社製品にマッチするパラメトリックEQを開発することはありませんでした。
McDSPチームの想像する「もし」彼らが作っていたら…それはEZ Qのようなサウンドだったでしょう。
低域の唸りを抑えるハイパスフィルタと、ロー/ハイシェルフ、そして極めて柔軟なパラメトリックEQ。
EZ Qなら、素早く作業を進められるずです。

 

EQ’76

UREI 545パラメトリックイコライザーに着想を得た6060モジュールがEQ'76です。
4バンドのパラメトリックEQが備え、Q幅とゲインが緩やかに相関して動作します。
EQ’76のデザインはE300/301モジュールに近いものですが、
周波数範囲が異なる点や、よりゲインに依存した現代的な帯域幅を設計に用いている点が異なります。

 

FRG EEE

「The Frog」(6030 Ultimate CompressorプラグインのFRG444)というニックネームを持つコンプレッサーの対となるEQとして、
FRG EEE(「フロッギー」と読んでください)以上に相応しいモジュールは他にないでしょう。
ハイ/ロー・シェルフのペアに挟まれた2つのパラメトリックEQで、
モダンなアナログ・ミキシングコンソールに搭載されるようなチャンネル・ストリップからは一風変わった、
しかし非常に優れたイコライザーです。

 

E357

E357はD357コンプレッサーと連携して動作することを意図して制作された3バンドEQです。
他のほとんどの6060 EQモジュールよりも急なスロープと、D357 と同様にとても特徴的なキャラクターを備えています。
取扱いは慎重に。

 

MEF 1

Mid Emphasis Filter(MEF)の働きは、トラックの低域・高域成分の一部をカットするだけのフィルターにとどまりません。
Emphasisコントロールが2つのフィルターバンドの間に残る帯域を強調し、
互いに競合することなくトラックを際立たせることができます。

 

E404

1999年に発売されたFilterBank E4がUltimateモジュールで復活!
輝かしい受賞歴を持つFilterBankと同じハイパスフィルター、ローシェルフ、パラメトリック、そしてハイシェルフEQを提供します。

 

また前回のように、

Low Freqは約150hzを4db上げる

Mid Freqは約1khzを4db上げる

High Freqは約7khzを5db上げる

という設定でテストします。

 

ここまで書いてハッキリしますが、MEF1は完全にフィルターで、他と同じような設定が出来ないので、比較にならないため、今回はちょっと扱いません。

E404も、HighとLowはシェルフで設定する事になっています。とりあえず、今回は何となく比較にもなるかもしれないので、ハイパスフィルターは使わず、(20hzで設定)フィルタータイプは変わるので、全然違うとは思いますが、ローシェルフ、パラメトリック、ハイシェルフに、それぞれLowとMidとHighの設定をしました。

 

これらです。

f:id:Kichizyo:20191007110105j:plain

 

前回同様、最初の4小節は未加工のオリジナルビートで、その後無音一小節を挟んで、

EZQ→EQ’76→FRG EEE→E357→E404

の順番になります。

 

これら5つはこんな感じです。

soundcloud.com

 

やはりぜんぜん違う!

 

EZQとEQ76では低音の質感が結構違います。EQ76 は締まった音です。FRG EEEの高音の抜けも良いです。E357も上げたゲインがかなり強調された特徴的な音ではないかと思えます。

 

McDSP 6060、お得感たっぷり

今回はEQにカテゴライズされているものを、フィルターのMEF1以外は一通り試してみました。このくらいの値段のバンドルで、EQ12個も入っているというだけでも珍しいですが、それぞれ個性があって、かなり面白かったです。

 

さらにCompにカテゴライズされたものが10個、その他Tape SaturationやDistortion等、Moreにカテゴライズされたものが12個と、結構お腹いっぱいになる感じです。もちろんチャンネルストリップとして使うのがメインとは思いますが、普通にエフェクターとしても使える、かなり使いみちの多いプラグインではないでしょうか。

 

以上、McDSP 6060レビューでした!長くなりましたがありがとうございました!

Free Pluginを極める

優秀なFree Pluginは沢山ある

随分昔の話になってしまいましたが、私が学生の頃に、リチャード・ストールマンの映画が公開されたのを覚えています。GNUプロジェクトとか、フリーソフトウェア運動とか、そういう内容の映画です。

思想云々は置いておくにしても、やはりフリーソフトウェアの考え方というのは、私が学生の頃からとても盛んで、ある意味ではそういう考え方も受容されるべき、という風潮はあったかな、と思います。

 

そんなフリーソフトウェア運動の考え方は、特に音楽やDAWの世界では共感する人が多かったのではないでしょうか。フリーのプラグインの数は大変多くて、その質はとても高いものが多くあります。

私も幾つかフリープラグインは使っていますが、実際どれ位の数が存在するのか、ある日ふと気になりました。

 

調べてみる

色々調べた結果、私の検索能力ではここが限界、というか、これ以上は必要ないサイトを見つけました。

とりあえず、様々な条件検索が出来るので試して頂ければと思います。貼り付けたURLでは、当該サイトでFree Pluginを全て検索した結果になっています。 

 

www.kvraudio.com

 

3,000近くある

 

何となく有名Free Pluginしか使って無かったのですが、こんなに沢山有るとは知りませんでした。ちょっとインストールしたのもありますが、普通に使えるのも沢山ありました。

 

DAWもある

オープンソースDAWもあります。GarageBandCubaseProToolsAbleton Lite等、有名所を除いては、

Ardour

ardour.org

 

LMMS

lmms.io

 

Renoise

www.renoise.com

 

Reaper

www.reaper.fm

 

MuLab

www.mutools.com

 

Tracktion

www.tracktion.com

 

リアルタイムのコラボに特化したDAWのOhm Studio

www.ohmstudio.com

 

Windows用、SoundBridge

soundbridge.io

 

オープンソースと言っても、完全機能を使うためには、寄付が必要というパターンが多いですね。また、Windowsマシンでは上手く動かない、Linuxだけ安定している、等のコメントも見られるものがありました。

 

結局Korgの何か買って、普通にAbletonとかReasonのLiteで曲作ったほうが安定してそうですが、フルバージョンでも、格安DAWで有ることは間違いないので、一杯飲みに行くのを我慢してDAWを買う、というのも悪くないとは思います。色々なDAWを使うことで、別の視点が生まれるかもしれません(適当)

 

以上、ありがとうございました!

Abletonの本:74 Creative Strategies for Electronic Music Producersのとある項目に関して

 制約上で作る楽曲

以前もAbletonが出版した本、74 Creative Strategies for Electronic Music Producersに関しては少し書きましたが、今回その内容を試してみたので、それを記事にしてみます。

 

参考にした内容は、Arbitrary Constraintsの内容です。本の序盤ですが、何となくやってみようと思って試してみました。

このチャプターは、ストラヴィンスキーの引用を紹介しています。自ら制作に制約や条件を課す事によって、自由というものをより意義深くし、制約から開放されるエネルギーが、より良いものを生み出す。制約を課す事が発展や、さらなる自由を生み出す、とかそんな感じの言葉を引用していました。訳は適当です。

 

確かにDAWソフトをクリックして、0から何か始めようとする時ですら、「いや、こういうのは選択肢にすら入らないわ」という事は往々にしてあります。やはり嫌いなものや苦手な事は避けます。もちろんそれが悪いわけでは無いと思います。好きな物を製作出来ないなら、なんでわざわざ時間使って遊んでるんだ、って話にはなりますし。

ただ、それが自然と楽曲の制作方法に強く反映されて来るなぁ、というのは、常日頃感じていました。同じいつものPluginばかり使ったり、Instrumentの使い方も、いつもの感じになったり。もちろん悪いことでは無いですが、色々やるのも時には悪くないので、そういう事をしてみました。

 

どんな制約を課してみるか

本では、例えばHi-Hatの無いドラムを作る、Bassが無い曲を作る、締切を勝手に作る、作業時間を縛る、特定のプラグインを幾つか使わない、場所と環境を変える等、様々な事が書いてありましたが、今回は

 

Midiを使わない。サンプルだけ。

 

というこれでいこうと思いました。Hiphopのトラックメイカーでは普通の事かもしれませんが、私は今まで一度もやった事が無かったので、挑戦しました。

これが想像以上に難しい。結構悩みました。が、

あまり制約に縛られすぎて、目的の楽曲を見失っていはいけない

という、有り難い本の言葉を勝手に解釈しまして、メインのRhodesピアノだけは、Midiで打ち込みました。

 

でも、結果的に17トラックになりましたが、無事全部サンプル音源の編集で一曲作りましたので、普通に宣伝したいと思います。

 

結果思ったこと

実際、自分縛りは結構大変です。今回は「1トラック以外は絶対Midi打ち込み使わないぞ!」という熱い思いでやりましたが、やはりそのためにアレの使い方をYoutubeで調べたり、アレが馴染まないからMixで色々参考探したりとか、そういうのが多かったです。

しかし、結果としてとても勉強になりました。よくよく考えたら、プロの作曲家とかエンジニアってこういう事を何時も仕事でしてるんですよね。演歌歌手にテクノの曲提供したり、フォークソングに謎の低音入れる訳にはいかないですし、ある意味ではそういう縛りの中で仕事をしている。そりゃとんでもなく上手くなるよなぁ、と実感しました。制限がほんの少し有るだけで難しい。しかし、その制限のおかげで、今回は何時もより楽曲の制作時間が短かったのも事実です。

で、曲のリンクを貼ります。まるで自分の曲の宣伝の為に書いたような記事ですが、ホントに本にそう書いてありますから許して下さい。

 

以上ありがとうございました!

 

 

soundcloud.com

Reason Studios:Reason 11レビュー

購入

私が最初に触ったDAWはReasonでした。アメリカの学校でElectronic Musicの先生が、ReasonとFL Studioを使っていて、Reasonを主に使った授業でした。今考えると、当時のReason、確かReason 4だったと思いますが、DAWというより、超高機能シンセというか、物凄く特殊なDAWでした。

しかし、「録音できんのかい、、、」「やっぱりVST使えないのは無いわ、、、」という理由と、そのシーケンサースクリーンの、インターフェースの微妙な使い勝手の悪さ、またMixerも今ではSSL 9000Kを再現した優秀なものですが、当時は今のAbletonと大差ない程度のMixerでした。その為徐々にAbletonへ移行していきました。

とは言え、録音にも対応するようになったし、Rack ExtensionsやMixerのアップグレード等、Rewireとして使うのは実に魅力的ではあり、なんだかんだReason 8まではアップグレードしていました。VST対応した9.5が出た時は、もうAbletonに移行済でしたし、アップグレードせず、Rewire重いなぁ、とか思いながら、完全にサブとして使っていました。

 

しかし、今回のアップデートは流石に見逃せず、ちょっとデモ使って、これは、と思い購入に踏み切りました。人柱になってのレビューです。いってみます。

 

Reason単体でも良い

新しいエフェクトの機能に関しては、特に書きません。普通にバスコンプとか、コーラスとかなので使ったら分かると思います。それ以外の新しい機能で気になったことを書いていきます。

 

久々にReason単体を使ってみますが、相変わらず魅力的なユーザーインターフェイスです。この情報過多な感じがたまりません。VSTプラグインも問題なし。

f:id:Kichizyo:20190926113102j:plain

 

裏面も相変わらずです。

f:id:Kichizyo:20190926114743j:plain

 

これ新しい機能なのかな?前使ってた8では無かったです。Gridモードというのがありまして、結構便利です。

f:id:Kichizyo:20190926115350j:plain

 

このGridモードを選択すると、ズームアウトとズームインすることで、その画面の大きさに合わせて、自動的に値が1/4になったり、1/16になったりします。もちろん変更も可能なので、例えば、ハイハットのTrapっぽい連打とか作るのが簡単です。

ペンシルツールを選択して、私はWindowsマシンなので、Ctrlをクリックしながらそのままドラッグすると、連打が打ち込まれます。Gridの値を32とかに変更し、またペンシルでCtrlドラッグをすると、実にスピーディーにハイハット連打が作れます。こんな感じです。

f:id:Kichizyo:20190926120023j:plain

 

オーディオ編集も良い感じ

VST対応なので、もちろんLoopcloudとも連動で動きます。

f:id:Kichizyo:20190926120428j:plain

 

ようやくか、って感じではありますが、Ctrlを押しながらマウスを動かすと、オートメーションにカーブをかけれます。これは必要ですね。

f:id:Kichizyo:20190926120623j:plain

 

さらに気に入ったのが、クロスフェードが使い易いです。クロスフェードしたいサンプル音の上で右クリックすると、下の方にあるクロスフェードがありますので、クリックします。

f:id:Kichizyo:20190926121021j:plain

 

選択したあと、サンプル端の黒い矢印を動かしたら、クロスフェードが出てきます。簡単です。もちろんフェードのかかり方も調整できます。

f:id:Kichizyo:20190926121208j:plain

 

相変わらず、オーディオをRexファイルにバウンスして、Dr. Oct Rexでさらに作り込み、とかも可能です。

この使い方はReasonならではですが、Loopcloudと連動することで、Loopcloudからドラッグで持ってきたサンプルをRexへバウンスさせ、Dr. Oct Rexで編集という作業は、様々な音作りへの可能性を感じます。

 

MixerもSSL 9000Kの再現ということで、申し分ないです。相変わらずインターフェースに関しては好みがあると思いますが、慣れたら問題ないし、スクリーンが複数ある人にとってはむしろ使いやすいかもしれません。

 

あれ、、、これ普通に単体でもかなり優れたDAWですばい、、、

 

値段はAbletonより安いです。Logicの価格崩壊を除くと、DAWではかなり安い方です。が、Reason単体で使用しても、全くもって使える、というか、むしろ良いDAWです。ケーブルルーティング楽しいです。

 

しかし、ここからが本題です。

 

Reason Rack Pluginが凄まじい

そもそもRewireってPropellerheadが開発した規格のはずなんですが、バッサリ切って、ReasonがVST3のプラグイン、Reason Rack Pluginとして使える様になりました。

 

Windowsマシンの場合、VSTフォルダは、

C:\Program Files\Common Files\VST3

の中にあります。名前は「Reason Rack Plugin.vst3」です。

ちょっと分かりにくい場所にあるので、一応書いておきます。私の場合は、いつも読み込ませているVSTフォルダーに、「Reason Rack Plugin.vst3」をそのままコピーして貼り付けました。

で、プラグインを再キャン。

f:id:Kichizyo:20190926122716j:plain

 

おお、、、おお、、、

 

とりあえず、Reason Rack Pluginを読み込ませると、こんな感じでReasonが立ち上がります。

f:id:Kichizyo:20190926123044j:plain

 

Reason Rack Pluginと、Reason Rack Plugin Effectがありますが、Reason Rack Pluginは、楽器を、Reason Rack Plugin Effectは、Reasonのエフェクターを読み込ませる、と考えて問題なさそうです。下画像はReason Rack Pluginを読み込ませたものです。楽器の下にある、Browse Instrumentをクリックしたほうが良いと思います。

f:id:Kichizyo:20190926123359p:plain

 

Reason Rack Plugin Effectを読み込ませると、最初に提示される機材がエフェクターになります。

f:id:Kichizyo:20190926123713p:plain

 

EffectのほうはあくまでEffecterなので、その前に別のInstrumentを入れないといけません。

EffectにもReason内のInstrumentを読み込ます事が出来ますし、音も鳴りますが、あくまでEffecterとして動くので、Reason Rack Plugin Effectの中にReason内のInstrumentを入れても意味がありません。

というか、Plugin Effectの中にInstrumentを入れたら、Reason Rack Plugin Effectの前に入れたAbletonの楽器の音が鳴らなくなりました。

f:id:Kichizyo:20190926124435p:plain

 

ただ、Reason Rack Plugin内では、Reason内のエフェクター各種が使用できます。多分CPU負担を減らすためにEffecterと分けたのかな?Instrumentが動かない、軽いプラグインも作っとこう、とかそういう事でしょうか。適当ですが。

 

もちろんケーブルルーティング出来ます。Flip Rackをクリックすると背面が見れます。Hide Cableで配線を消すことも可能。配線が増えすぎるとゴチャゴチャするので、助かる機能です。

I/O Deviceが一番上に設置されていますが、ここはケーブルルーティングで設定できます。

 

例えばInstrumentを二つ読み込ませます。例ではEuropaとGrainを読み込ませました。間にはThe Echoですね。

f:id:Kichizyo:20190926125934p:plain

 

Flip Rackをクリック。上部のI/O Deviceを見ると分かりますが、Europaが1-2、Grainが3-4と自動的にルーティングされて、同時に音が鳴るようになっています。なので背面はこうですね。

f:id:Kichizyo:20190926130148p:plain

 

これは結構色々な音作りが出来そうで楽しいです。

 

さらに、Rack Extensionも使えます。Rack Extensionは幾つか持っていたので、嬉しいです。

f:id:Kichizyo:20190926132010p:plain

 

問題点も有る

ですが、このReason Rack Plugin、問題点も当然あります。

1つ目は細かい所ですが、私のPCでは、Deleteボタンで機材の消去が出来ません。一回一回右クリックで、Delete Devicesを選択。地味ですが面倒くさい。これ私のPCだけなのでしょうか?

 

そして2つ目。

 

重い。

 

想像はしていましたが、重いです。私が以前していたのは、Rewire動かしてReasonから出る音を、オーディオファイルでAbletonに読み込ませて使う、という方法で、Midiの打ち込みもAbleton側で管理したいという場合は、External Instrumentsを使っていました。これも重い、というか、Reasonで使うデバイスが増えすぎると、結構厳しいものがありました。

Reason Rack Pluginは、そこまででは無いですが、まぁ、あまり変わらんくらい重いです。

どの位重いかというと、私のPCはAMD Ryzen 2700x、DDR4メモリを32G積んでいます。このPCで、Reason Rack Pluginを6つ、それぞれに違うシンセを一つずつ読み込ませて、適当に音を同時で鳴らしてみました。

f:id:Kichizyo:20190926131453p:plain

 

みるみる上がるCPU Usage、、、なんと30%まで上昇しました。この6トラックだけです。センドにデフォルトのリバーブとか入っていますが、使ってません。これはちょっと考えて使わないといけません。

 

総括

の前に、知らなかったのですが、Propellerheadっていつの間にか名前変わってReason Studiosになってたんですね。知らなかったので、書き直しておきました。

さて、最後にケチを付けましたが、やはりプラグインとしてReasonが使えるというのは、本当に便利です。Reasonならではの音作りの楽しさや、シンセやエフェクターも多数あり、DAWとして見ても、プラグインとして見ても優秀だと感じました。

 

Reason11はDAW単体としても優秀ですし、サブとして使う2個目のDAWとしても、使い勝手抜群。

 

という事が総括となりました。以上、長くなりましたが、Reason11のレビューでした!ありがとうございました!