Sound Lab Kichizyo

Ableton Liveのアレコレ

TR808新バージョン、RC808がVST化

伝説の名機を実機製作者達が再開発しVST

詳しくはDAW関係記事、というか、DAW界の第一人者、藤本健氏のDTMステーションに記事があります。

https://www.dtmstation.com/archives/31040.html

 

TR-808といえば、ヒップホップを始めとして、その太いKickや個性的なSnareやHat音が一世を風靡した、ヤオヤの愛称で知られる伝説の名機です。

ハードに関しては、数年前にTR-08として、現代版のリメイクが行われています。丁度去年に、このTR808の実機を作ったAnalog Mafiaの方々が、RC808のexe版を発表し話題になりましたが、今回はなんとVST版です!

しかも無料。

聖人かな?実機を作った方々が、デジタル化することでの強みを生かしての再開発だそうで、TR808を作っただけでもレジェンドなのに、しかもVST化までしてくれて、真のエンジニア魂を感じずにはいれません。

導入してみる

当方WindowsPCなのですが、基本的に藤本健氏のブログの通りで問題なく使えました。先ずは、

https://rc-808.com/

こちらからダウンロード。ちなみに、Refill soundsは「Data190922」フォルダで、普通のWin版をダウンロードしたら付いてきます。中身も現在一緒でした。

 

解凍しますと、

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こんな感じのフォルダ達が。Windows.exe」はスタンドアロン版です。プラグインVST3ファイルは、「RC-808-Plugin Ver 0.1.3WIN」フォルダ内に入っています。

 

このVST3をいつも使っているフォルダに入れます。ただ、この際に、プリセットなども分かりやすくまとめておきたかったので、

私はいつも読み込んでいるVST3フォルダの中に「Analog Mafia」フォルダを作成。EXEを除いて、このままその中にVST3と、プリセットとマニュアルを入れてしまいました。

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というのも、このRC808、使用する際にプリセットの読み込みは必須と言っても過言ではありません。その為、なくさないようにプリセットもまとめてプラグインフォルダに入れておきました。この辺りは、皆様慣れた方法があるかと思います。

起動

いつも使っているVST3フォルダを見てみますと、

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しっかりあります。起動。

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おお、なんかシンプルですなぁ。Juce作成プラグインデフォルト!って感じです。

ここで重要なのが、現在のバージョンでは、このままボタンを押しても、何か「チュイーン」みたいな音が鳴るだけでした。

Fileから、先程場所を変えて保存したプリセットを読み込ませます。

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このDataって書いてる2つが、今の所プリセットです。ちなみに、Data190808でこれくらい。

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Data190922にこれくらいプリセットが入っています。

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各フォルダにいくつかのプリセットが入っているものもありますので、かなりの量です!適当にMidiデータ作って音出してみます!

 

その前に注意点が。現在のバージョンでは、この画像。

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私はArturia MINILABを使っていますが、一番左にある35番の音は、良くあるC1ではなく、B0に当てはめられていました!これは今後のバージョンアップでどうなるか分かりませんが、一応現在のバージョンでは、という所です。

それと、たまに音が出なくなる状態になりました!そういう時は、プラグインを再起動したらまた出るようになりました。

 

さらに、「音の作り込みは?」という部分ですが、流石レジェンド達が作っただけあって、音の作り込みはえげつないです。この画像赤丸に囲まれたボタンを押しますと、

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こんな感じで音の作り込みが出来るページが出現しました。

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ちょっとこの辺り、かなりのボリュームでまだ触っていません!すいません!

 

いつものように、Masterにリミッターは突っ込みましたが、なにもMixとかはしてません!こんな感じの、実に適当なMidiファイルです!音はプリセットそのままです!

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聞いてみます!

soundcloud.com

 

ゴッツい音しとりますばい、、、、

私のざっくりとした作りでこれだけの音を鳴らすので、もうこれは導入して後悔することは無いでしょう。これが無料なのは、本当に驚愕です。

 

以上、ありがとうございました!

 

Side Chain Trackを作ってグルーブを作る

Sidechainを応用する

良くあるSidechainの使い方ですが、BassトラックにCompを入れて、Kickが鳴っている時にBassをヘコませて、低音をスッキリさせる、という手法があります。Mix的な使い方で、BassとKickがごちゃまぜになる、という、一番難しい所の解決手段の一つでもあります。

 

今回は、それのちょっとした応用で、Mix的な手法というより、独特なノリを作る為のSidechainを作成してみます。

 

実践

とは言いましても、普通に簡単です。とりあえず今回は、Beats、Bass、Piano、Guitarの4トラックの簡単な8Barのループを作ってみました。こんな感じです。

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いつもの事ですが、当然Mixはしていません。

 

Sidechainトラックの作成

次に、Midiトラックを作成して、適当なシンセを読み込ませます。ここで重要なのは、シンセの音はAttack TimeとRelease Timeが共に早いものを選びます。

簡単に言うと、鍵盤押したらすぐ音がなって、鍵盤離したらすぐ音が消えるシンセを選びます。

それさえ出来てたら、ホントにどんな音でも良いので、とりあえず今回はOperatorの中からKickを適当に選びました。

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さらに、このKickを入れたSidechainトラックで、適当にこんな感じの4Barを作りました。

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全然聞いて確認してないけどヨシ!

次に、このSidechainトラックの音を切りましょう。トラック選択して0押しても良いですし、画像赤丸押してもOKです。

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Compの設定

もちろん普通のCompでも良いのですが、Grue Compがこの用途だったら結構効きます。今回は分かりやすいように極端なコンプの設定にしました。ココはお好みで変えて下さい。

それと、初歩ですが、ピンク色の丸内の▶を押して、SidechainボタンをOnにしないといけません。Audio Fromは、先程作ったKickの音を入れたSidechainを選択します。

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このCompを今回は分かりやすいように、Beats、Bass、Piano、Guitarの4トラック全てに入れます!これも自由に変えて下さい。

 

聞いてみる

全然音聞いてないけどヨシ!以上で完了です!Sidechainトラックはオーディオを切っているため、音は出ませんが、Midiノートが鳴っている時に、その他のトラックのボリュームにCompをかけ、独特のノリを発生させる、という手法です。

アレンジメントビューはこんな感じ。

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では聞いてみます!上の画像の通り、最初の4BarはSidechain無し、次の4BarでSidechainが発生します。

soundcloud.com

 

ち、、、ちょっと極端でしたね、、、、

まぁ、、、、まぁ、しかし、こんな感じのよく聞くエフェクトが、好きなリズムでかけれる、という感じです!ちょっとしたフィル代わりにも使えますし、バース特定のトラックにかける事で、独特のグルーブも発生します!

KickとBassの分離、という使い方のイメージが強いSidechainですが、こういった使い方も出来ますね。FilterにSidechainなんかも面白かったりします。

以上、ありがとうございました!

Accusonus Rhythmiqの実用的な使い方は

色々な使い方がある

基本的には、ループのオーディオファイルを読み込ませて、適当に触ってたら、ループをどんどん変えて行ってくれる、というプラグインです。

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ちなみに、4Bar Loopまでしか読み込みできません。ちょっと長いループを読み込ませようとすると、こういうメッセージが出てきます。

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このRhythmiq、持ってるサンプルループをガンガン変えて、サンプルの音を大きく変えずに、新しいループを作れます。同じAccusonus社のRegrooverも似たような感じですが、低音、中音、高音と、それぞれサンプルを分析して3種類のStermに分割。それぞれを編集して、新しいループを作ろう!というものです。

 

AI機能も付いていて、編集が段々利用者の好みに向かっていき、ユーザー好みのオリジナルビートを作成してくれるそうです。

 

使い方は凄く簡単ですし、色々な記事があるので良いとして、このRhythmiq、実用的な使い方はどうか、というのを考えてみまして、今回は自分がやった手法を紹介してみます。

 

1.持ってるループから、新しいビートを作成する

基本的な使い方はこれになると思います。所謂オリジナルビートを、どんなサンプルからでも作れる、というのは、このプラグインの魅力です。

使ってみるとすぐ分かるのですが、作るビートは、もの凄く偶発性が大事です。細かい設定をするというよりも、ツマミをひねって調整して、「おっ!こんな感じええやん!」っていう所でビート完成、という感じです。

とりあえず持ってるループから、音の質感を変えずに、オリジナルループを作ろう!という時に使えます。

 

2.フィルを作成する

こっちが今回のRhythmiqの使い方のメインです。というか、Rhythmiqの一番便利な使い方は、このフィル作成なんじゃないかと勝手に思っています。

まず、Rhythmiqにサンプルを読み込ませます。

このサンプルは、完成してMixまで終わった自分の曲のドラムサンプルを読み込ませたりするのが良い方法と感じました。

Mixまで完成した曲のドラム部分だけを4Barで書き出し、それを更にRhythmiqに読み込ませる、という手法です。こうすることで、曲の中で違和感のないフィルを作成できます。

 

BPMは曲に合わせたほうが良かろうかと思います。次に、新規Audio Trackを作成して、Rhythmiqの音をサンプルとして録音出来るようにします。

このブログでも何度か出てきた手法ですし、DAWにより方法は違いますが、Abletonだとこんな感じです。

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さらに新規Audio Trackに、Rhythmiqの音を録音していきます。

この際に重要なのは、再生している最中に、Rhythmiqの以下の写真、赤丸内のツマミを動かしながらやると、結構面白い結果が出てきて良いです。

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録音しました!

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とりあえず、今回は20小節ほど録音しています。適当です。

次にこれを聞きながら、気に入った部分を切り貼りします。Ctrl+Eでカットした、良い感じのフィルになりそうな場所を、新規Audio Trackに貼り付けて行くと良いかと思います。

今回は例ですので、ざっとこんな感じでやってみました。完成です!

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これで一小節分のフィルが出来ました!同じ手法で、どんどん新しいフィルを作れます。

 

で、どんな音になるんや、という話ですが、僭越ながら今回は全く同じ手法で作った私の曲を載せます。正直に言うと、結構このフィル作るのも、色々選んで切り貼りしないといけないので、もう一回やるのが面倒くさいのです!すいません!

しかし、この曲では、ドラムのフィル、所謂おかず的な場所の9割位を、このRhythmiqの手法で作成しました。

それと、前の記事に書いた、Reverse Reverbという手法も多用しています。その方法のリンクはこちらです。

Reverb and Reverseというテクニック - Sound Lab Kichizyo

 

お耳汚しですが、聞いてもらえると嬉しいです!

soundcloud.com

 

以上、ありがとうございました!

MasterトラックをSample編集

オーディオバウンスの効果

Ableton Liveの特徴は、やはりサンプル編集の優秀さが第一と考える方も多いと思います。前回書いたClip Viewに関する記事もそうですが、こういった編集手法は、Ableton Liveならでは、という所があります。

 

kichizyo.hatenablog.jp

 

この記事にも有るように、Midiで作ったトラックも、一度オーディオにバウンスする事で、また違った編集方法が生まれてきます。

今回は、このClip Viewの機能を使いつつ、ちょっとしたテクニックである、マスタートラックのバウンスを効果的に使う手法を紹介します。

 

実際にやってみる

先ずは適当なトラックを作成しました。全部LoopCloudのサンプルを使って、キーだけ合わせて作ったシンプルなサンプルです。いつもの様に、面倒くさいからMixもしていません!

なにしろ、どんどんネタも無くなってくるので、ちょっとしたテクニックも記事にしていこうというスタイルであります。

 

とりあえず、こんな感じのシンプルなトラックを作成。

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Drums、Bass、Gu、Pianoだけのトラックです。こんな感じです。

 

soundcloud.com

 

で、これを新規Audio Trackに全部の音を書き出します。新規Audio TrackのInはMasterを選択。

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二重に音を出さないため、モニターはInにして、トラックを選択後0を押して無効化しておきます。録音は出来るので。

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で、トラック全体を書き出ししました!

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 これをどう使うか

上記の以前に書いた記事、Clip Viewでの編集の応用で、この書き出したMasterトラックの音を、オーディオ編集します。

色々な方法が考えられますが、例えばこんな感じはどうでしょう。

作成した8Bar Loopの最後の二拍を、バウンスしたMasterトラックの音にします。

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で、バウンスしたMasterを編集します。今回はWarpモードを使用。Warpマーカーを、最初のノートの出だしの部分と、次のノートが鳴る前くらいに設置します。ちょっと分かりにくいですが、こんな感じです。

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で、この次のノートの前のマーカー、二番目のマーカーですね。こいつを一番端まで伸ばしてしまいます。

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さらにWarpモードをTextureにして、Grain SizeとFluxを設定。今回はGrain Sizeは全開、Fluxは0に設定します。

さらにEnvelopeボックスのTransposeで適当な位置から、今回は2拍目位からオートメーションを書き、1オクターブ上げます。ライザーになりますね。こんな感じになりました。

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こんな感じになりました。一番最後の部分以外は同じですね。

soundcloud.com

 

おお、何か適当なことしたわりには、意外と出来てますね。こういう感じで、マスターの音をサンプル編集すると、個別トラックを編集するのとは、また違った雰囲気が出せます。Warpマーカーも、様々な使い方が出来るので、結構この方法は色々応用が効くように思われます!

もし使えそうだったら、試してみてもらえればと思います。以上ありがとうございました!

いい感じのFilter Effect Rackを作る

Filterを積極的に使ったフレーズ作成に便利

SoundToysに、FilterFreakというプラグインがあります。こんなやつです。

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ちなみに1と2があって、文字通り1はFilterが一つだけあって、2はFilter二つ組み込まれてる、というものです。

このFilterFreak、Filter Typeを変えたり、Rhythmを変えたり、かなり独特なFilter音まで簡単に作り込めますし、音も良いです。このFilterが、設定した通りに動くことで、Filterを積極的に、エフェクトがモロに聞こえるようなフレーズ作成によく使われます。

まぁ、ここまではいかないけど、同じ様なエフェクトを、AbletonのデフォルトエフェクトのみでRackとして作ってみると、FilterFreakとはまた違った良さもあって面白いんじゃないかな、というのが今回の記事です。

 

ちなみに、Plugin Boutiqueで購入可能なThe Art Of Filteringというチュートリアルムービーの中の一部の内容(Utilityの部分)を参考にしています。

The Art of Filtering, The Art of Filtering plugin, buy The Art of Filtering, download The Art of Filtering trial, Producertech The Art of Filtering

このプリセットの大半部分、というか、Utilityの所以外は、そのチュートリアルを見る前に作っていたのですが、何しろAuto FilterとUtilityという機能が少ないエフェクターに関する記事なので、Utility以外にも内容がそれなりに被っているので問題あるかもしれません、、、ただ、似たような内容のフリーの記事やYoutubeチュートリアルもあるので、良いのではないかと考え書いた記事です。あまり気にしてたら、チュートリアル関係の記事が書けなくなりますし、そもそも公式に機能に関しては全部載っているので、、、でも、問題有るようでしたら、その場合はすぐ記事消します!ただ、Utilityを使った部分のみを参考にしたもので、このチュートリアルムービーの内容はもっと多く、多岐に渡ります!

 

FilterFreakより、こっちのほうが便利な場合も有るので、プリセットとして保存してもらえると、いつか使える日が来るかもしれません。

 

作成

何か「面白いんじゃないかな(意味深)」とか書いてますが、めっちゃ作り方簡単です。申し訳ない。というか、この辺りAbleton Liveは本当に優秀です。何かヒントを貰って、ちょっと考えたら普通に似たようなの作れたりします。手順は以下です。

  1. Audio Effect Rackを作成
  2. Audio Effect Rack内にUtility投入
  3. Utilityの後ろにAuto Filterを二つ投入
  4. UtilityをAuto Filterの後ろに投入

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多分もっと色々方法有ると思いますが、とりあえず今回はこういう作りにしました。Filter Effect Rackと名付け、プリセット保存しました。流石にAuto Filter二つだけ突っ込んで、「プリセットとして保存してもらえると(微笑)」とか言えないので、Plugin BoutiqueのUtilityを入れるという工夫をしましたが、これがなかなか良い働きします。

 

例えばどんなのか聞いてみる

例えば参考にしたFilterFreak2にDual Notch Filterというプリセットがあります。こんなのです。

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流石にここまで細かく設定は難しいし、Filterの音もこういうふうにはなりません。これはプラグインですので。しかし、最初にこのエフェクトを別の形で作ってみたいな、と思ったのが今回のFilter Effect Rack作成のきっかけでした。

これ、めっちゃ簡単に言うと、二つのNotch Filterが設定したTempoに合わせて動く、というものです。それくらい単純化したら、上記で作成したプリセットでも可能です。

  1. FilterをNotchに設定
  2. 効果をかけたい周波数にあたりを付けて、Freqで設定(今回は7.7kHzと760Hzに設定。)
  3. LFOを設定(今回は両方Rateは15。Rateは1/4と1/2。片方はPhase180℃)

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画像を見てもらうとすぐに分かると思います。で、最初の4小節が原音。次の4小節がFilterFreak2、次の4小節が今回作ったFilter Effect Rackです。

soundcloud.com

 

おお、、、結構イケてるやん、、、FilterFreakでは、結構ガッツリNotchの周波数が動きますが、今回作成したRackでは、LFOのAmountによりますが、そこまで広範囲ではないはずです。でも、結構ちゃんといい感じで動いてくれています。

 

Utilityの使いみち

Utilityは何に使うのか、という話になりますが、これはM/Sのエフェクトで、音のパノラマを色々調整する為に使います。

意外と知られていないのが、このUtilityのWidthのツマミを右クリックすると、M/Sモードに切り替える事が出来ます。

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M/Sモードにした場合、値を全開にするとSideの音のみ、値を最小にするとMonoになります。これを使って、以下の設定を行います

  1. 手前のUtilityでWidthの値を0、Monoにする。Monoボタンを押してもよい。
  2. 後ろのUtilityはM/Sモードに切り替え、Sideの音しか出ないようにする
  3. 二つのAuto FilterのPhase値は両方180に

画像で見るとこんな感じです。

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このUtilityを最初に入れてMonoにした後、Stereo系のエフェクト入れて、その後またUtility入れてサイドだけ音出す、という手法は、結構応用が聞きます。

私は普段はチェーンを作ってUtilityを入れて、それぞれをMonoとSideにして別のエフェクトをかける。という手法をよく使いますが、今回はMonoの音にステレオエフェクトをかけて、さらにサイドだけ音を抽出する、という手法です。

他にも応用はあります。私がたまに使ってるのはこれです。Auto Panを入れます。Auto Panを入れると、例えばこういう設定になります。

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今回はAuto PanはSpinモードで、Amount全開のRateは5hz。その他はお好みで良いとは思いますが、この位が分かりやすいと思ったのでこうしました。

 

で、原音4小節、FilterFreak4小節、M/S4小節、Auto Pan4小節の順で聞いてみます。

soundcloud.com

 

うーん、結構雰囲気が変わりましたが、これはこれで有りでしょう。

 

オリジナルのFilter Effect Rackの良いところ

これは明らかに有利な点ですが、SideChainが出来ます。

例えば今回は分かりにくくなるので、音の出ないゴーストトラックとして使いますが、適当なドラムループを読み込みました。

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で、FilterにSideChainを使います。この際、Envelopesの値を全開にすると、SideChainがしっかり適応されます。

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エフェクトが分かりやすい様に、アタック早めにしています。あとは適当です。最初に作った、M/S効果を入れていない、Filter Effect Rackの設定で、SideChainを入れます。SideChainの外部ソースはドラムですが、ドラムの音は鳴りません。

最初の4小節がドラムのみ、次の4小節が原音、次の4小節がFilterFreak、最後の4小節がSideChainの音です。

soundcloud.com

 

SideChainが効いているのが分かります。

 

このように、Filterサウンドを使った積極的な音作りを出来るRackを作ってみました。今回はNotch Filterでしたが、High PassでもLow Passでも出来ますし、他にもDelay系やRedux系なんかを別のチェーンに入れてみたり、、、等々、このAudio Effect Rackの拡張性の高さが、Ableton Liveの売りの一つと言えると思います。

 

以上、ありがとうございました!