Sound Lab Kichizyo

Ableton Liveのアレコレ

MixにおけるReverbの使い方 その1

Reverbは難しい

Mixで簡単なものなどありませんが、

Reverbは、一番直感的にMixで使われているエフェクト

ではないでしょうか。ソレが悪い、というか、音楽に良いも悪いもありませんが、どうしても直感的な使い方を続けると、学ぶことも少なくなります。実際私もそういう所が大いにありましたので、今回はMixにおけるReverbの使い方を、しっかり調べてみることにします。

 

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もうこいつら見ただけで、「ああ、、、もう適当に使いたいよく分からん、、、」という気持ちになります。しかし、ココは一つ、もう少し頑張って、基礎からしっかりリバーブを勉強したいと思います。

 

特に参考になったのはこの記事。タイトルに偽りなしというか、空間操作について極める、という記事です。

www.ableton.com

 

また、結構賛否両論ありますが、私は個人的に勉強になったなぁ、という本、

www.cambridge-mt.com

 

この辺りも参考しにします。それと、その他にも沢山参照します。

https://www.izotope.com/en/learn/essential-tips-for-mixing-reverb.html

https://www.izotope.com/en/learn/8-reverb-tips-how-to-manage-reverb-heavy-mixes.html

https://www.waves.com/8-reverb-mixing-tips

Renaissance Reverb | Media Integration, Inc.

 

もうこの時点で絶対にシリーズ化するくらい文章が長くなりますが、このブログは半分くらい自分の為でもあります。実際結構Samplerの記事とか見直してます。なので、長くなってもMixでのReverbに関して、ある程度しっかり纏めたいと思います。

 

とりあえずはココ

と言いつつ、いきなり端折りますが、基本はこちらを参照ください。

kichizyo.hatenablog.jp

 

バーブの働き

 Mixでのリバーブですので、リターントラックに設置するのが基本です。そして、リバーブが増強する要素についても述べておきます。

  1. Blend:リバーブを足せば足すほど、そのトラックはBlendされ、楽器の位置が奥に下がっていきます。
  2. Size:反響音が加わると、空間のSizeは上がります。それだけではなく、楽器自体もより大きく、パワフルに増強します。
  3. Tone:トーンの質が上がり音が豊かになります。リバーブ音は、Mixの中でDryな音に対してのPhase cancel(音の波の衝突により、音のボリュームや質が変わる)に注意。
  4. Sustain:音のSustain(この場合持続性、長さ)を上げます。音が長くなります。
  5. Spread:ステレオイメージを上げます。ステレオの幅を広げ、よりパノラマにします。

 良かれ悪かれ、これらの要素は必ず増強されます。

 

パラメター

さらに、今回はリバーブをしっかり見直すのがテーマですので、一度リバーブの重要なパラメターを全て書き出します。

 

  1. Reverb Time/Decay:どれくらいのスピードで反響音が消えるか。実際はLow DampとHigh Dampの設定でも多少変わります。
  2. Size:空間の大きさ。反響音の密度や広がりを決めます。
  3. Pre-Delay:原音が鳴ってから、反響音が鳴るまでの時間差を決めます。Early Refrectionの表記の場合もあります。
  4. Diffusion:反射音の量と特徴。特にReverb Timeが短いときは違いが大きく出ます。
  5. Stereo Width:リバーブの左右の広がり。0でMonoになります。
  6. Early Reflection Level/E.R.:初期反射(最初に返ってくる反響音)のVolumeを決めます。
  7. Low Damp Level:低域の反響音の減衰の仕方を調整する。100%でReverb Timeと同じになります。
  8. Low Damp Freq:Low Damp Levelでコントロールする周波数の上限を決めます。
  9. High Damp Level:高域の反響音の減衰の仕方を調整する。100%でReverb Timeと同じになります。
  10. High Damp Freq:High Damp Levelでコントロールする周波数の上限を決めます。
  11. Dry/Wet Mix:原音とリバーブ音の割合を決める。0で原音のみ、100%でリバーブ音のみになります。
  12. Reverb Type:空間の種類を変えます。

 

また、Dampは、HighとLowに分かれてなくて、単にFreqとLevelのつまみだけで、反響音の周波数を調整する場合もある事も書いておきます。細かい所はリバーブによって違う、という感じですね。

さらに、ちょっと注意しなければならない所は太字にしておきました。この辺りも感覚的に使いがちです。Damp FreqとDamp Levelの連動も適当に扱いがちです。私は、ですが。

 

バーブの種類

全部知る必要はないですが、基本的なものだけ書き出してみます。

  1. Chambers:議員室、地下堂空間などの意味。何もない密閉された空間で音を鳴らしてるような効果があります。
  2. Plate/Spting:厳密には2つとも別のリバーブですが、特徴は近い為まとめます。Plateは金属板とかメッキ製の意味。共にElectroなリバーブでToneやSustainの補強に良い効果があります。音に艶が出るため、一番聞かせたい楽器に使われることが多いです。
  3. Digital Algorithm:数値で上記コントロール以外の細かい部分まで調整できます。自分でかなり細かい部分まで調整できるため、結構自由なリバーブ作成が可能。
  4. Digital Convolution:単にConvolutionとも呼ばれます。Convolutionは入り組んだという意味。Impulse Responseという、空間の特性を捉えることができるシステムを使い、様々な空間の音を作り上げる事が出来ます。例えば森、岩場、砂漠、廃墟、廊下など様々な環境を作り上げる事ができます。

 

バーブは基本的にCPU負荷が大きいですが、Convolutionは特に大きい傾向があります。

 

追記:すいません、ものすごく一般的な、ルームとかチャーチとか、基本的なやつは書いてませんでした。ルームは普通に部屋です。広いのも狭いのもあります。チャーチは広い傾向があります。Hallも様々なサイズがありますので、それぞれのリバーブで数値も反響も違いますので、個別に好きなものを選べば良いと思います。

ただ、原則としてTempoが早いとタイトで狭い、ルームなんかが合います。パンクとか良く使われます。Tempoがゆっくりなら広いホールやチャーチなんかが合う傾向があります。

 

続く

ここまでで、ようやく基礎知識を纏めた所です。ここでから更に、実際の作業と、重要なテクニックを纏めていけたらと思います。リバーブ難しいですね!

 

その2はこちらです!

kichizyo.hatenablog.jp