Sound Lab Kichizyo

Ableton Liveのアレコレ

コードジェネレーターを作ろう

Abletonデフォルトのエフェクターで作成

おそらく多くの方々が参考にしている動画シリーズとは思いますが、最近のAbleton Meet Up In Tokyoの動画で、コードジェネレーターを作成する動画が面白かったので、ちょっと作ってみました。ちなみにAbleton Meet Up In Tokyoは行ったことありません。私は福岡県民です。

動画はこちらです。

 

 

このレクチャーを行った、Ableton Certified Trainerである、Yoshinori Saito氏に関しては公式に情報がありました。

 

www.ableton.com

 

このSaito氏のコードジェネレーター作成、ご本人もおっしゃっていますが、実にシンプル、しかし応用も効き、しかもAbletonデフォルトのエフェクトで作成できますので、軽いですし、思ってもみないコードやフレーズが出てきて、とても楽しいものです。こういう自身で考えたネタをガンガン紹介してくれるのは、本当にありがたいです。

 

試作する

動画見たらその通り作れますので、見たらオッケーなんですが、少しだけ自分が扱いやすいようにして、実際に音を鳴らしてみようと思います。

 

詳しくは動画を見てもらった方が良いと思うので、ココでは簡単な流れだけ書きます。

 

Midi Effect Rack

先ずはMidi Effect RackをMidiトラックに挿します。動画では最初からこの辺りは組んでいます。以前も書きましたが、こういうプリセットをガンガン作っていて、作業を効率化するのは、プロは皆やっていると思います。ちゃんとプリセットもフォルダ管理して、すぐにアクセス出来るようにしておくと良い感じです。

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Arpeggiator

Rack内にArpeggiatorを挿します。動画でも説明されていますが、ArpeggiatorのGateは100以下の方が良いです。100以上だと、コードを作成するので、音の残響が次のコードに影響して、不協和音が発生します。

ArpeggiatorのStepsとDistanceの説明は、意外としっかり分かっていなかったので、公式の文章を引用してみます。

トランスポーズの間隔は、[Distance]コントロールを使って音階([Major]と[Minor]での移調の場合)またはセミトーン([Shift]での移調の場合)で設定します。[Steps]パラメーターでは、シーケンスのトランスポーズ回数を選択できます。[Distance]コントロールが正の値に設定されている場合、[Steps]を8に設定すると、シーケンスは全部で8回トランスポーズされ、トランスポーズされるたびにより高いノートで再生されます。([Distance]が負の値に設定されている場合、シーケンスはトランスポーズされるたびに下にさがります。)

簡単に言うと、何回音を移動するかがStepsで、Distanceが高音に行くか、低音に行くか、さらにその移動が何セミトーン(半音)の間隔で行われるかを決める、という事のようです。

また、この際、僕が勝手にやっているだけですが、なんとなくMacroは一つに纏めたかったので、纏めました。ここも動画ではRateは1/1設定でしたが、これもMacroで変えれるようにします。こういう応用がガンガン効くのが、とても素晴らしいです。RateとDistanceをMacroに設定しました。

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Chord

次はChordです。動画でも言及がありますが、Chordでstで表されているのはセミトーンです。半音です。1オクターブが12stです。

なので、Majorコード作成なら0、+4(Major 3rd)、+7(Perfect 5th)、Minorなら0、+3(Minor 3rd)+7(Perfect 5th)、です。

さらに、ここでおお!となった工夫が、Chordをもう一つ挿すという事でした。試してみたのですが、たしかに一つでコードを鳴らすより、2つで鳴らしたほうが面白いです。これは何とも、聞いてみないと分からないのですが、このもう一つChordを挿す、という工夫で、グッと使い道が増える気がします。

私はあまり音を多く重ねないと思い、この位ならMacro一つでオッケー、と思い纏めました。とりあえず、使うこともあるかも分からんので、3rdはマイナーとメジャーを決めるので、Macroに入れます。5thも結構音を抜く事があるので、Macroへ、7thと9thだけMacroに入れましたが、7thも例えばⅠM7とⅤ7では違うので、使わない事が多いと思いましたが、何か面白い音が出来るかもしれない、と考えて、とりあえず入れておきました。多分使わないとは思いますが。9thは美しいから入れただけです。

Saito氏もおっしゃっていますが、触ってみた感じ、この辺りはホントに実験でした。最終的に思ってもみない所でいい音がなったりします。今回は高い音だけで設定しましたが、セミトーンを下げたコード音を鳴らすのも良いです。

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Scale

個人的には、ホント使わないツールだったので、考えてみたら、こんな使い方あるなぁ、と目からウロコというやつでした。一番最後にScaleを挿す事で、限定された音だけ鳴らしてコードを作成します。ここで、さっき設定した7thとか9thが無意味になったりしますので、ガンガン変えていくと良いと思います。

Scaleもガンガン変えていくと良いと思います。この応用が効く感じが、このコードジェネレーターの面白いところです。ただ、コードを鳴らすので、あまり変わったスケールにすると、かなり用途が限られます。いきなりWhole Toneとかかますと、何か不愉快な気持ちになる音が鳴ります。

今回はScaleをメジャーペンタに設定しました。9thとか7thの値も変えます。こんな感じです。ちなみにキーはGにしてます。

 

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結果

動画の通りに、1音だけで4小節のトラック作成。音色は、Padっぽいのが良いと思って、適当にVコレのAnalog Labから選びました。

 

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ついでにAuto Panを入れて左右に振ります。それで、適当にサンプルを重ねてみました。

 

soundcloud.com

 

あ、なんかコレ駄目なやつですね。こんなんアップロードして、ホント正気じゃないですよ。大体これキー合ってるように思えないんですが、何なんですかね。

 

ただ、今回はPad部分の作成でこんな感じになったよ、という話なので、もうコレで良いです。間違えてはないので。ただ、これGメジャーっていうより、レラティブキーのE minorの気がするのですが、気の所為でしょうか。まぁ、これが曲になることは未来永劫無いので、どうでもいいでしょう。

 

今回試した結果ですが、かなりこういった不思議な雰囲気コードの作成も簡単に出来る、という所がミソです。鍵盤系のハッキリした音も良いですが、Padで曖昧な感じで作るもよし。色々な組み合わせが可能で、しかも軽い。これもプリセットとして保存しておいたら、役に立つことがあるのでは無いでしょうか。

コード作成ソフトと言えば、Scalerが有名ですが、こういうデフォルトソフトを使っても、コードジェネレーター出来るし、これはこれで偶発性あって楽しいと思います。

 

以上となります!ありがとうございました!Yoshinori Saito氏もありがとうございました!