Sound Lab Kichizyo

Ableton Liveのアレコレ

Simplerスライスモードの活用

タイミングを合わせる為と作曲の開始点

大分前の記事で、SamplerはSimplerの上位互換!とか調子乗って書いてましたけど、SamplerよりSimplerのほうが良い所は普通にあります。Simplerで出来ることは大体Samplerで出来て、Samplerで出来ることはSimplerで出来ない事がある、という感じですが、当然それぞれ個性があります。

そもそもSimplerはとても素晴らしいサンプラーです(Samplerではないです。分かりにくくてすいません)。Abletonが最初にミュージシャンを驚かせたのが、そのサンプラーの質です。今でこそサードパーティプラグインで似たようなサンプラーがありますし、各DAWも良いサンプラーありますが、当時はAbletonのSimplerとSamplerは頭2つ位抜けてた記憶があります。当時学生でMPCを扱っていた私は、これをもっと便利にしてDAWで出来ないかなぁ、と思ってた時にAbletonのSimplerは、本当に丁度いいものでした。

 

そんな感じで長い前置きですが、このSimplerを上手いこと使ったら、結構かゆいところに手が届く機能もある、という所を書いていきたいと思います。今回はSliceモードについて。特に、タイミングを合わせるため、また、作曲のスターティングポイントとしてSliceモードを使おうという話です。

 

MPC的Sliceモード活用

なんかカッコいいからそういう事書いてますが、これめっちゃ普通のSliceモードの使い方です。例えば、Jazzのフレーズのように、4/4でかっちり合わないフレーズのサンプリングをしたい時に使われる方法です。

今回はJazzでは無いですが、元ネタのテンポと演奏方法で、欲しい感じが出ないサンプリングがありました。とりあえず、オーディオを読み込んで、

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この辺りを使って、Drum Rackに読み込ませました。とりあえず1Shotモードで、少々補正してこんな感じです。

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で、ビートに合わせて叩いてみました。

 

soundcloud.com

 

う~ん、これじゃない感があります。ギターが実に自由に鳴っているので、なかなかドラムと合いません。

こういう時にSliceモードを使ってみます。

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今回ポイントになるのは、丸でかこった、Slice Byの部分とSensitivityです。今回はTransientで設定します。

大事なのは、ここでSensitivityの数値を変えることです。100%だったらSliceが細かすぎて、何がしたいか分からなくなります。こういう時にPushとかLaunchPadがあれば大変便利です。Padに音沢山並べれてバシバシぶっ叩けます。

 

で、ビートに合わせてまた叩いてみました。

 

soundcloud.com

 

うん、なかなか合ってるのではないでしょうか。

ちなみに、このSliceモードでは、この画像の矢印、

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ここをダブルクリックして、消したり増やしたり出来ます。もちろん位置をズラす事も可能です。ただ、これ何でこの機能ないんだろう、と思うんですが、SliceモードではSnap設定できません。無理な場合も多いですが、なるべくVolume0地点に再生開始位置を設定するのが良いかと思います。クリックノイズがガッツリ入る事が多いです。

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もうそんなん面倒くさいと思ったら、iZotope RX7 De-clickを挿します。

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これでクリックノイズ抜けたかな。

 

Sliceモードで作曲開始

これもPushとかLaunchPadがあれば実に捗るのですが、このSliceモードで、フレーズ作成も楽しいです。

やり方は簡単です。とりあえず、何か曲をSimplerに読み込ませます。Jazzとかが結構面白そうなので、John ColtraneのSay It (Over and Over Again)にします。名曲であります。

www.youtube.com

 

Glenn Millerのバージョンも良いけど、Say itと言えばやはりコルトレーンです。余談ですが、コルトレーンのGiant Stepsのコード進行はGiant Steps cycleとかコルトレーン・チェンジとか呼ばれて、全く新しいコード進行として試験に出た記憶があります。1オクターブをMajor 3rdで割って三分割して、マルチトニックで演奏、って感じだったと思います。なんでこんな発想になるか意味不明です。

 

で、ここからSimplerをSliceモードに設定。サンプリングするのに、好みの場所とか、避けたい場所があったら、Slice範囲を任意の場所に設定します。さらにここでも、Sensitivityを適切な値に設定します。

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後は叩きます。とにかくPadを叩いて、「お!なんか良いやんけ!」ってなるまで、場所とかSensitivityを変えながら叩きます。

で、1分位叩いて出来ました。

 

soundcloud.com

 

おお、、、なんか思ったよりええやんけ、、、珍しいな、、、

ここにベースやギターを足してもいいし、シンセのシーケンスとか足してもいいし、色々発展できそうです。

以上ありがとうございました!